肩こりの原因~きょうの健康より

先日の『きょうの健康』は、肩の構造と肩こりの原因をテーマにしていました。肩こりのタイプは日常生活が原因のもの、肩関節や神経が原因のもの、その他(目や内臓)が原因のものに分けられます。番組では、整形外科医の池上博康先生(東邦大学医学部教授で肩、ひじ、手の病気の診断と治療が専門)が自分で肩こりのタイプを診断する方法や肩こりのタイプ別に原因と治療法などを説明していました。

 

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肩こりについて知る前に、知っておきたい肩の構造

池上先生によると自分の肩こりのタイプを知って予防や治療をするためには、肩の構造を知ることも大切なことだそうです。番組では、肩の周りの筋肉、骨、関節などについて説明をしていました。
◆僧帽筋
肩こりで感じる痛みや違和感は、僧帽筋という肩から背中首まで伸びる大きな筋肉の疲労が原因だそうです。

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きょうの健康より

肩関節の骨と筋肉

肩関節は、上腕骨の頭の部分である上腕骨頭と肩甲骨でできています。腕を上げたり、回したりの動作が自由にできるのは、上腕骨と肩甲骨が上手く連動しているからです。そして、肩関節が自由に動くので、肩甲骨を支える筋肉(僧帽筋と僧帽筋の下の肩甲挙筋、大・小菱形(りょうけい)筋)が鍛えられていなければいけないそうです。

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きょうの健康より

肩関節がすべての関節のなかで一番脱臼しやすいのは、肩甲骨と上腕骨頭が接する部分が不安定だからだそうです。ですから、上腕骨頭の前側を支えている肩甲下筋と上腕骨頭の後側を支えている棘上筋、棘下筋、小円筋がしっかりしていることも自由に腕を動かすためには重要なことだと池上先生は説明をしていました。

 

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肩こりのタイプチェックリスト

池上先生によると肩こりというのは病名ではなく症状のことだそうです。肩こりにはいくつかの原因があり、原因によってタイプ分けをするとのことです。番組では自分の肩こりのタイプを知るためのチェックリストが紹介されました。

「肩こりのタイプチェックリスト」
1.ストレスを感じている
2.長時間同じ姿勢をとり続けている
3.常に肩が痛くて、特に夜眠れないほど痛くなる
4.肩が動かしづらい
5.肩周りにしびれがある
6.両肩を見比べると明らかに片方の筋肉がやせている

日常生活が原因のいわゆる肩こり

チェックリストの1と2だけが当てはまる場合は、日常生活が原因のいわゆる肩こりだそうです。この肩こりの原因は、筋肉の使いすぎや血行不良です。

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きょうの健康より

悪い姿勢(例えば猫背)で長時間いると僧帽筋に負荷がかかり、肩や首の周りの筋肉が疲れ硬くなってしまいます。

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きょうの健康より

また、僧帽筋が硬くなると、筋肉の中の血管が圧迫されるので血流が悪くなります。すると栄養や酸素が十分運ばれなくなり、さらに筋肉が硬くなり肩こりが悪化してしまうとのことです。冷え、喫煙、緊張でも血流は悪くなるそうです。

肩関節が原因の五十肩、腱板断裂、変形性肩関節症

チェックリストの1から4までが当てはまる場合は、肩関節が原因の五十肩、腱板断裂又は変形性肩関節症の可能性が高いそうです。

●五十肩

五十肩は中年が発症しやすく、肩の痛みや腕が上がらないなどの症状があります。原因は肩関節の周りにある滑液包と関節包の炎症だそうです。

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きょうの健康より

滑液包と関節包は骨同士がうまく動くための潤滑油の役割をしています。それで、炎症が起こると肩の動きが悪くなったり、痛みを感じたりすると池上先生が説明していました。

腱板断裂

腱板というのは上腕骨頭を支えている4つの筋肉の骨に触れている部分のことです。その中でも上腕骨の上部にある棘上筋は最も痛みやすいそうです。

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きょうの健康より

腱板断裂の特徴的な症状は、肩や腕を動かしたときや夜寝ている間の痛みです。痛みの原因は、腱板が傷ついたり、切れてしまったりしているからとのことです。

変形性肩関節症

変形性肩関節症は肩関節の軟骨が削れて骨同士がぶつかってしまうために肩に痛みや腫れなどの症状がでるそうです。肩関節の模型の画像の水色部分が軟骨です。

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きょうの健康より

神経が原因の神経まひ

チェックリストの1、2、5、6が当てはまる場合は、神経麻痺の可能性が高いそうです。神経に麻痺が起こると、脳からの筋肉を動かすための信号が伝わりにくくなり、筋肉を動かすことができなくなります。それで、麻痺した筋肉はやせてしまうそうです。肩の筋肉が麻痺した場合には、麻痺した筋肉の働きを補うためにその周りの筋肉に負荷がかかってしまうことが肩こりの原因だと池上先生が説明をしていました。
右肩の筋肉に神経麻痺がある人のMRIの画像を見ると右の筋肉が麻痺のない左肩の筋肉に比べて細いのがわかります。

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きょうの健康より

 

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肩こりのタイプ別治療法

肩こりはタイプによって治療方法が異なるそうです。

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きょうの健康より

日常生活が原因のいわゆる肩こりは、原因となっている生活習慣を改善すると肩こりも改善される可能性が高いそうです。
五十肩は自然に治る場合もありますが、適切な治療を受けることで治るまでの期間が短縮されるとのことです。五十肩を放っておくと治るまでに1年以上かかったり、肩の動きが悪いままになったりすることがあるので、医師の適切な治療を受けることを池上先生は勧めていました。
腱板断裂、変形性肩関節症、神経まひは自然に治ることはないそうです。治療を受けないと徐々に悪化するので、できるだけ早く整形外科を受診したほうが良いとのことです。

mametisiki

池上先生の説明で、自分の肩こりのタイプを知ることが肩こりを改善するためには大切だとわかりました。いわゆる肩こりの原因は、番組で紹介されていたよりも細かく分けることができ、それぞれに改善方法があるようです。
肩こりの9割は自分で治せる (イースト新書Q)
竹井仁

まとめ

肩こりにはいくつかのタイプがあり、自分で治すことができるものと病院で治療を受ける必要があるものがあることがわかりました。肩こりの中には、ひどくなると日常生活に支障をきたすものもあるので、肩が凝らないように気をつけて生活を送るのはもちろんのこと、肩こりがなかなか良くならなかったり、激しい痛みを感じたりする場合は、医師の診断を受けるようにしたいですね。


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