医師おすすめの発酵食品ベスト6~林修の今でしょ!講座より

先日の「林修の今でしょ!講座」では、健康効果の高い発酵食品の特集をしていました。発酵食品について医学の面から研究をしている白澤抗加齢医学研究所所長で医学博士の白澤卓二先生が発酵の仕組みとその健康効果についてとても分かりやすく解説をしていました。また、医師50人へのアンケート結果を元に、健康に良い発酵食品ベスト6を発表して、その発酵食品がどのように健康増進に役立つかを専門の医師たちが説明をしていました。

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発酵食品の専門家である白澤先生は、発酵の仕組みを説明した本や発酵食品を使ったレシピ本を多数出版しています。

100歳まで病気知らずでいたければ「発酵食」を食べなさい
白澤 卓二

白澤卓二教授の ウルトラ免疫力をつくる発酵&きのこレシピ
白澤 卓二

発酵のメカニズムは?

発酵とは、微生物が食品を分解して人間が必要な栄養を作ることです。白澤先生によると、発酵と腐敗は同じ仕組みだそうです。この2つの違いは、食品につく微生物の種類とのことです。食べ物が腐るのは、微生物がその食品を分解して毒素を出すからだと白澤先生から説明がありました。
40万種類もいる微生物のうち食品を発酵させることができるのは、乳酸菌、酵母菌、酪酸菌、麹菌、酢酸菌、納豆菌の6種類しかないそうです。そして、これらの発酵菌によって食品が発酵すると、食品の栄養素と旨味が増えることや腐りにくくなるという効果あるとのことです。

 

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発酵食品の歴史

約8000年も前から人々は発酵食品を食べていたそうです。暑さや寒さが厳しく食物を確保するのが難しい地域では、発酵食品は人々が生きていくのに欠かせないものだったとのことです。例えば、カナディアン・イヌイットが暮らす、カナダの北極圏では野菜を育てることができないのでビタミンが不足しています。けれども、彼らは発酵食品を作ることでその土地にはなかったビタミンを摂取して、健康に生活することができたと白澤先生から説明がありました。カナディアン・イヌイットが食べていた発酵食品はアザラシの腹に海すずめを詰めて、地中で半年間発酵させた「キビヤック」です。

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林修の今でしょ!講座より

非常に臭い食品として世界的に有名です。日本でいうと納豆やくさやがありますが、それも何倍も臭いとされています。
また、番組では、大昔に旅をしていたアラブの商人が羊の胃袋で作った水筒に乳を入れておいたらチーズになっていたという言い伝えも紹介されました。

 

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発酵食品は腐敗するのか?

白澤先生によると発酵食品は理論上腐らないそうです。理由は、菌が生き続けていることと発酵菌でいっぱいになった食品には腐敗菌が入り込むスペースがないからです。

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林修の今でしょ!講座より

番組では、30年間発酵をし続けているサンマのなれずし(サンマを塩と米に漬けて、乳酸菌で発酵させたもの)が紹介されていました。

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林修の今でしょ!講座より

腐らないはずの発酵食品に賞味期限があるのは、食品加工の際に食中毒を防ぐために加熱殺菌をする際に、腐敗菌だけではなく発酵菌も死滅させてしまうからだそうです。

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林修の今でしょ!講座より

 

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体に良い発酵食品ベスト6

世界には、主な発酵食品とされるものだけでも約30種類あるそうです。

世界の主な発酵食品
醤油、みそ、酢、みりん、麹、納豆、塩辛、魚醤、酒粕、鰹節、漬物、なれずし、くさや、日本酒、焼酎、甘酒、みりん、ビール、ウイスキー、ワイン、ブランデー、チーズ、ヨーグルト、発酵バター、パン、キムチ、豆板醤、メンマ、ナタデココ、プーアール茶など

これらの発酵食品の多くが、日本で親しまれているものです。
そして、番組では50人の医師にアンケート調査をして、たくさん種類のある発酵食品の中から健康に良いものベスト6を発表していたので第6位から順番に紹介します。

第6位 ぬか漬け(含まれている発酵菌:酪酸菌、乳酸菌)

ぬか漬けは、米を発酵させて作ったぬか床に野菜を漬けたものです。

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林修の今でしょ!講座より

微生物が野菜を原料にビタミンを作るので、野菜を米ぬかで発酵させてぬか漬けを作ると野菜のビタミン含有量が大幅に増えるそうです。
例えば、大根(皮付き)はビタミンB1が15倍、ビタミンB6が5.5倍になり、きゅうりはビタミンB1が13倍、ビタミンB6が4倍、そして、かぶ(皮なし)はビタミンB1が15倍、ビタミンB6が6倍になるとのことです。

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林修の今でしょ!講座より

そして、最新の研究では、ぬか漬けに含まれる酪酸菌が作る酪酸が免疫細胞(T細胞)を増やし、大腸の炎症を抑える働きがあることがわかったそうです。長期の大腸炎が大腸癌につながることもあるので、ぬか漬けを食べると大腸癌の予防になるのではと考えられています。
大腸の専門家である国立国際医療研究センターの消化器内科医長の秋山純一先生によると、酢酸には大腸の壁の傷を治す効果と大腸の壁から電気をだして大腸を守る粘膜を作る働きがあるとのことです。1日に小皿1皿ぐらいのぬか漬けを摂取することを秋山先生は勧めていました。
酪酸菌は熱に強いので加熱調理しても死なないそうです。そして、酸にも強いので胃で溶かされずに生きたまま腸に入って善玉菌を増加させるので、免疫力を高める効果もあると白澤先生は説明をしていました。

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ぬか漬けを作ってみたいけれども、作り方がよくわからないという人は多いとおもいます。そのような方には、ぬか床100番を開設し、ぬか床についての講演会を行っている下田敏子さんの著書にはぬか床初心者にもわかりやすくぬか床の作り方が説明してあります。

ぬか床づくり―母から子へ伝えたいスローフード
下田 敏子

第5位 酢(含まれている発酵菌:酢酸菌)

米酢は発酵飲料である純米酒をさらに酢酸菌で発酵させたものです。血圧の専門家である東京女子医科大学教授の市原淳弘先生(高血圧・内分泌内科)によると高血圧の原因の1つはストレスだそうです。血圧が高いと血管が閉まっている状態になります。

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林修の今でしょ!講座より

酢の主な成分である酢酸には血管を広げる働きがあるので、血圧を下げる効果があるとのことです。
ミツカングループの調査で、高血圧の57人が毎日大さじ1杯の酢を摂取したところ、2週間後ぐらいから血圧が下がり始めて時間が進むにすれて血圧が下がるということがわかりました。

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林修の今でしょ!講座より

また、酢には代謝を促し、脂肪を燃えやすくする成分も含まれているとの説明が、白澤先生からありました。
1日に酢のもの1品(酢大さじ1杯)を摂取すると良いとのことです。

第4位 チーズ(含まれている発酵菌:乳酸菌、酪酸菌)

チーズは、牛乳を乳酸菌で発酵させて酵素で固めたものです。最新の研究で、チーズにはダイエット効果があることがわかったそうです。理由は、カルシウムが、脂肪を吸収する消化液である胆汁にくっつくことで、脂肪が体に吸収されるのを妨げる働きがあるからです。牛乳が発酵するとカルシウムの量が増えるそうで、パルメザンチーズには牛乳の12倍ものカルシウムが含まれているそうです。脂肪の吸収を妨げるためには、まずチーズを食べてから脂肪を摂取するのが効果的だと白澤先生が説明をしていました。
アメリカのテネシー大学の研究では、カロリー制限のダイエット中に乳製品カルシウムを摂取した人としなかった人では、カルシウムを摂った人の方が、体重が1.5倍減ったと報告しています。

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林修の今でしょ!講座より

チーズにはカルシウムの他にもダイエットに効果のある栄養素ビタミンB2が豊富に含まれているそうです。ビタミンB2には脂肪を燃焼させる働きがあります。ビタミンB2も牛乳が発酵すると増えます。パルメザンチーズには牛乳の4.5倍のカルシウムが含まれるとのことです。ただし、チーズは高カロリーなので食べ過ぎには注意が必要で、1日にプロセスチーズ2かけ程度が適量だと白澤先生が説明していました。

第3位 みそ(含まれている発酵菌:麹菌、酵母菌、乳酸菌)

みそは、蒸した米を麹で発酵させたものに大豆を入れ、さらに発酵させたものです。1300年以上の歴史があり、戦国時代には各地の武将がみそを作らせたので今でも地名のついた味噌が販売されているそうです。
最新の研究では、みそに乳がんを予防する働きがあるということがわかったとのことです。国立がん研究センターの調べによると、味噌汁を1日1杯未満しか飲まない人よりも、1日3杯飲む人の方が乳がんになるリスクが40%低いという結果が出ています。

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林修の今でしょ!講座より

けれども、味噌汁は正しく作らないとみその栄養を壊してしまうそうです。みそに入っている生きた発酵菌は、50度以上で死滅してしまいます。また、65度以上になるとたんぱく質の性質が変化してしまい味も悪くなります。ですから、味噌汁にみそを入れるのは、火を止めてから10分後ぐらいが最適とのことです。
みそは塩分が多いので、余分な塩分を排出する働きをするカリウムを含む食品(海藻や芋)の味噌汁を摂取することを白澤先生は勧めていました。

第2位 ヨーグルト(含まれている発酵菌:乳酸菌)

ヨーグルトは40度の牛乳を5時間から5時間かけて乳酸菌で発酵させたものです。
最新の研究では、ヨーグルトを食べる習慣があると、2型糖尿病の発症リスクが下がることがわかったそうです。糖尿病には2種類あり、2型は主に生活習慣が原因で、1型は主に遺伝によって発症します。
ケンブリッチ大学が男女3,500人を11年間追跡調査したところ、低脂肪ヨーグルトを週に4個から5個食べると2型糖尿病になるリスクが28%減っていたそうです。

腸の健康を保つ善玉菌の数は加齢によって著しく減るとのことです。生後数日の赤ちゃんの腸には100億個ある善玉菌(ビフィズス菌)が老齢期になると1億個になってしまいます。

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林修の今でしょ!講座より

腸の専門医である昭和大学医学部教授の工藤進英先生によると、免疫細胞の6割が腸にあるそうです。善玉菌は免疫細胞に付着することで、免疫細胞を活性化させ免疫力を高める働きをします。それが、できるだけ多くの善玉菌が腸にあったほうが良いという理由とのことです。

白澤先生によると、ヨーグルトに含まれる善玉菌が腸に届く前に胃で死んでしまうと、善玉菌の死骸は腸で生きている善玉菌のエサになるそうです。それで、ヨーグルトを食べると腸の善玉菌の数が増えるとのことです。1日1カップ程度のヨーグルトを食べるのがお勧めだと番組では説明していました。

第1位 納豆(含まれている発酵菌:納豆菌)

納豆は、大豆を納豆菌で発酵させたものです。納豆にも長い歴史があります。江戸時代は、朝ごはんに栄養のある納豆汁を頻繁に食べていたそうです。
最新の研究によると、納豆には美肌効果と骨粗しょう症を予防する効果があることがわかったとのことです。
まず、大豆を発酵させて納豆になると、肌を作るビタミンB2が6倍、シミとシワを防ぐレシチンが1.5倍増えます。女性の肌に詳しいRサイエンスクリニック院長の日比野佐和子先生によると、レシチンには肌を再生させて、ハリのある肌を保つ効果もあるそうです。
そして、納豆には骨粗しょう症を防ぐビタミンK2が豊富に含まれています。ビタミンK2も大豆が発酵して納豆になることで増えるので、納豆にはビタミンK2を含むビタミンKが大豆の約86倍も含まれているとのことです。ビタミンKが作れるのは納豆菌だけだと白澤先生が説明をしていました。
骨を作るのにビタミンK2が必要なのは、ビタミンK2には骨のたんぱく質の性質を感化させてカルシウムを骨にくっつきやすくする効果があるからだと骨粗しょう症を専門とする健康院クリニック院長の細井孝之先生が解説していました。

効果的な納豆の食べ方
肌は夜寝ている間に作られるので、納豆は夕食のときに食べるのが良いそうです。夕食に納豆を食べると、納豆に含まれる肌をきれいにするレシチンやアルギニンが消化されて、寝ている間に肌を作るのを助けるとのことです。
また、納豆にごま油を数滴入れて食べると、ビタミンK2の吸収率が良くなるそうです。それから、納豆菌は熱に強いので、納豆チャーハンのように炒めて食べるのもお勧めとのことです。番組から、ワルファリンという薬を処方されている場合は、納豆を食べることを禁止されている場合があるので注意が必要だとの説明がありました。

 

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白澤先生監修の発酵食品弁当

番組では白澤先生が監修をした手軽に作れて健康に良い発酵食品弁当が紹介されました。メニューは、チーズと鰹節のおにぎり、鶏のみそ漬け、卵のみそ漬け、ぬか漬けです。

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林修の今でしょ!講座より

鶏の味噌漬けと卵のみそ漬けを作るときは、鶏と卵を前日からみそ床に漬けておくと良いそうです。みそ床は、大きめの保存容器に、みその床をひいてから適量のニンニクと酒を加えて混ぜ合わせれば出来上がりです。みそ床は保存状態によって1週間から1ヶ月ぐらい使うことができるとのことです。鶏や卵の他にも、野菜など好きなものを漬けることができます。チーズと鰹節のおにぎり2個分の材料は、ご飯300g、みそ15g、クリームチーズ2かけ、鰹節少々です。

 

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まとめ

医師たちが選んだ健康に良い発酵食品は、日本人の食卓に欠かせないものばかりです。これまでも発酵食品は体に良いと言われていましたが、この番組で紹介された最新の研究結果から、今まで知らなかった発酵食品の健康増進効果や病気の予防効果を知ることができました。食べる時間や料理法に気をつけて、これまで以上に健康に良い発酵食品を普段の食事に取り入れていきたいですね。

 


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