口臭の治療と予防対策~きょうの健康より

先日の『きょうの健康』は「口臭の治療」がテーマでした。口腔外科医で口臭外来で治療もしている中川洋一先生(鶴見大学歯学部付属病院准教授)が口臭の検査、治療、予防の方法についてを解説していました。

 

スポンサーリンク

 

口臭が一番強い時間帯は?

番組によると、口臭は朝起きたときが一番強いそうです。それは、寝ている間に口の中の細菌が増えるからです。そして、食事で口の中の細菌が唾液で流されたり、歯磨きで口の中をきれいにすることによって口臭は弱くなります。その後、食事や歯磨きまでの間に口の中の細菌がまた増えます。一日の中で何度かこれらのことが繰り返されるので、画像のグラフのように口臭は1日の中で変動します。

20160628154240

きょうの健康より

 

スポンサーリンク

 

口臭の検査方法:ガスクロマトグラフィーと官能試験 

口臭の検査方法は2種類あるそうです。機械を使用して口臭の原因となる3つのガスの量を測定する「ガスクロマトグラフィー」と、医師が実際に口のにおいをかぐ「官能試験」です。

20160628154401

きょうの健康より

ガスクロマトグラフィー

ガスクロマトグラフィーは、シリンジという注射器のようなものを使用して空気を口の中から採取して、その空気に含まれる口臭の元となる3つの成分の数値を機械で分析する検査だそうです。検査時間は短く、鼻、のど、肺などの臭いを口の中で落ち着かせるために、シリンジを口にくわえてから30秒間鼻呼吸をした後で空気を採取します。機械での成分分析には4分ほどかかると番組で説明していました。
ガスクロマトグラフィーで調べる3つの成分をまとめておきます。

20160628154610

◆硫化水素
硫化水素は口の中の細菌が出す臭いの成分で、舌や歯などが酷く汚れていると数値が高くなります。
◆メチルメルカプタン
メチルカルカプタンは歯周病菌が出す臭いの成分で、歯周病が進行していると数値が高くなります。
◆ジメチルサルファイド
ジメチルサルファイドは内臓疾患が原因の臭いの成分です。

きょうの健康より

この3つの成分にはそれぞれ基準値があり、検査で1つでも基準値を上回った場合は「口臭あり」という診断になるとのことです。

20160628154701

きょうの健康より

官能試験

官能試験は、医師が実際に患者の口の臭いをかぐ検査です。ガスクロマトグラフィーで「口臭なし」の診断だった場合でも、検査をした3つの成分以外の成分が原因で口臭がある場合があるためこの検査をするそうです。また、医師がにおいをかぐことで、実際は口臭がないのに口が臭いと思い込んでいた人を安心させることもできると中川先生は説明していました。

 

スポンサーリンク

 

口臭の原因

中川先生によると、口臭は体の不調が原因の場合と口の中に原因がある場合があるとのことです。

20160628154748

きょうの健康より

体の不調が原因の口臭

口臭はその原因によって臭いの種類が違うそうです。
消化不良の場合は、体の中で食べ物が発酵しすぎて腐敗臭のような口臭になるそうです。また、肝機能が低下している場合は、アンモニア臭のような口臭になるとのことです。そして、糖尿病の患者さんで脂肪が燃えることでできるケトン体という老廃物が増えるとアセトン臭という甘酸っぱい口臭になると中川先生が説明していました。なかなかわかりづらいですが、このような、内蔵に原因のある口臭の場合は、歯科ではなく内科を受診しなくてはいけいそうです。

口の中に原因がある口臭と舌苔

口の中に原因のある口臭には、歯の汚れであるプラーク、虫歯、歯周病などがありますが、番組では舌の汚れである舌苔に着目して、舌苔のできる仕組みや対処方法を説明していました。

舌苔が口臭の原因になる理由

舌苔は、舌の上についている汚れと細菌が固まったものだそうです。舌の表面にある舌乳頭というでこぼこの窪みに食べ物のかすや口や舌の粘膜からはがれた古い角質が溜まると、これらのものをえさにする細菌が増殖します。そして、細菌が食べ物や古い細胞のかすを分解するときに臭いが発生するそうです。

20160628154828

きょうの健康より

細菌が粘着性のある物質を出すので、舌苔は時間が過ぎるとどんどん取れにくくなります。舌苔のある人が、上の歯を磨いたときに歯ブラシの柄の先で舌をこすってしまうと、舌苔の臭い物質が口の中に巻き上げられると歯を磨く前よりも口臭が強くなると中川先生は説明していました。

口臭外来を受診した54人に食事と歯磨きをしないでガスクロマトグラフィー検査を受けてもらった結果、43人が「口臭あり」という診断で残りの11人が「口臭なし」という診断でした。その後、自分で歯磨きをした後でもう1度ガスクロマトグラフィー検査をすると「口臭あり」だった43人のうち18人の口臭が増加したそうです。また最初の検査で「口臭なし」だった11人のうち2人が「口臭あり」に診断が変わりました。

20160628154921

きょうの健康より

歯磨きをした後で口臭が強くなった20人が舌苔を取り除いてから、また同じ検査を実施したところ全員の口臭が弱くなったそうです。この検査の結果からも、舌苔が多くの人の口臭の原因になっていることがわかります。

舌苔の拭き取り方

番組では中川先生が自分で簡単にできる舌苔の拭き取り方を紹介していました。
まず、15cmぐらいのガーゼを水でぬらしてから、絞ります。そのガーゼを利き手の人差し指に巻きつけます。そして、ガーゼを巻いた指を舌の上で前後、左右に動かします。朝食のあとに、こすり過ぎないように気をつけながら舌の表面がピンク色になるまでおこなうと良いそうです。中川先生は、除菌作用や臭いの吸着作用の洗口液は舌苔を取ったあとで補助的に使うと効果的だけれども、それだけでは効果が出ないこともあると説明していました。

mametisiki

口の中を殺菌して、口臭を弱くするのを助ける洗口液は、ネットで気軽に購入することができます。特に人気のある商品を紹介します。

コンクールF
ウエルテック

薬用 LISTERINE リステリン オリジナル [医薬部外品] LISTERINE(リステリン)

 

スポンサーリンク

 

中高年の口臭が強い理由

中高年になると唾液が少なくなり、口の中が乾燥しやすくなるドライマウスになりがちだそうです。ドライマウスになると口の中の細菌が増加して口臭が強くなります。食事のときはしっかりかむことを意識する、ガムをかむ、鼻呼吸をすることでドライマウスを防ぐことができると中川先生は説明していました。

まとめ

多くの人の口臭の原因が、歯周病や虫歯ではなく舌苔だったということを知らなかった人は多いと思います。舌苔は自分で簡単に取ることができるので、朝食後の舌苔取りを習慣にして、不快な口臭を予防したいですね。


スポンサーリンク

コメントは受け付けていません。