腰痛改善対策~東大病院発表のメソッドで8割が改善~ガッテン!より

つらい腰痛。
マッサージに腰痛改善グッズ……何を試しても一時的な気休めにしかならないと嘆いている人は多いかもしれません。腰痛を、完治させる方法なんてないと思っていませんか?
ところが、2016年8月に東京大学付属病院の研究チームが、長引く腰痛を治して、再発させない方法を発表しました。
先日の『ガッテン』では、この腰痛を元から治す方法の特集をしていました。腰痛に悩む人にとって必見の内容だったので、まとめておきます。

 

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東大病院が発見した腰痛の原因

理学療法士の山口正貴先生ら東京大学付属病院の研究チームが発表した報告書によると、慢性腰痛の患者は、腰痛のない人と比べて寝返りの回数が少ないとのことです。
この研究をはじめるにあたり、山口先生は、腰痛の原因を知るため、まず腰痛患者たちへの問診を行いました。その結果、慢性的な腰痛で辛い思いをしている人は、起床時の痛みを訴えることが多いということに気がついたそうです。それで、山口先生は、「腰痛と寝返り」の関係に注目し、腰痛の人は寝返りの回数が少ないということを発見しました。

強制的に腰痛を起こす実験

番組では、「寝返りをうたないと腰痛になる」という、山口先生らの発表を検証する実験を行いました。実験では、Mさん(20代男性)が、寝返りをうてないように、ドラキュラの棺のような箱の中で7時間睡眠を取りました。

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ガッテン!『腰痛患者の8割が改善する最新メソッド』より

実験開始後すぐに、Mさんの腰回りの酸素量が低下しはじめました。

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ガッテン!『腰痛患者の8割が改善する最新メソッド』より

7時間後、目を覚ましたMさんは、冷や汗をびっしょりとかいていて、とても辛そうでした。そして、起き上がるときは、腰の痛みに顔をゆがめる場面も。実験後Mさんは、腰がカッチカチに張っていることを実感していました。

 

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慢性腰痛になる人の特徴

姿勢が悪かったり、ストレスがたまっていたりする人が、腰痛になりやすいと多くの人が考えています。けれども、腰痛の大きな原因は「寝相の良さ」にあるそうです。2015年に実施されたある調査によると、一般の人は一晩で平均24回の寝返りをうっているとのことです。番組の調査でも、腰痛のない人は8時間で25回の寝返りをうっていました。けれども、腰痛歴30年の女性は、5回しか寝返りをうっていませんでした。寝返りの回数が少ない、寝相の良い人が慢性腰痛になるというわけです。

寝相の良い人が慢性腰痛になる理由

寝相の良い人が腰痛になる原因は、大きく分けると2つあるそうです。
人間の体は、内臓脂肪や臓器がおなかに集中しています。それで、横になると体重の4割が腰にかかってしまうのです。すると、腰回りの血の流れが悪くなり、酸欠状態になります。番組が行った実験でも、Mさんの腰回りの酸素量は、横になってからすぐに低下しはじめていました。

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ガッテン!『腰痛患者の8割が改善する最新メソッド』より

腰回りに酸素が少なくなると、筋線維が炎症物質を放出します。これが、痛みを引き起こす原因の1つです。

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ガッテン!『腰痛患者の8割が改善する最新メソッド』より

また、横になっていると腰の骨が沈み込んで、じん帯を圧迫します。すると、強い痛みを感じるとのことです。

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ガッテン!『腰痛患者の8割が改善する最新メソッド』より

寝相の良い人ほど、寝ている間に腰に負担をかけてしまっているということですね。それで、日中にストレス発散のために運動をしたり、コリをほぐすためのマッサージを受けたりしても、寝ている間に痛みがぶり返してしまうと番組では説明していました。
また、寝ている間に痛み原因を作っているということなので、朝起きたときの痛みが最もつらいという人が多いのも納得できます。

 

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寝返りがうてない理由

長年、寝返りの研究をしている野崎真由美先生(東邦大学看護学部、教授)によると、寝返りは体を回転させる全身運動なので、広い範囲の筋肉が柔らかくないとできないそうです。とくに、骨盤のひねりが重要なので、胸から太ももにかけての筋肉と、背中から太ももにかけての筋肉の柔らかさが大切だそうです。
そこで、野崎先生の学生が、筋肉の硬さを体感できる硬性コルセットを装着して、寝返りをうつことができるかどうかを実験しましあた。

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ガッテン!『腰痛患者の8割が改善する最新メソッド』より

その結果、どの学生も体が思うように動かず、寝返りを打つことができませんでした。

番組では、1か月で250人の腰痛患者を診察している上原康介先生(東京大学医学部付属病院、特任臨床医)の協力のもとに、腰痛患者の筋肉の硬さを調べました。調査に使用したのは、筋肉の硬さを視覚化できる最新機器「超音波エラストグラフィー」です。

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ガッテン!『腰痛患者の8割が改善する最新メソッド』より

上の画像の部分を体に当てると、筋肉の柔らかさによって反射する時間が変化して、硬い筋肉は青、柔らかい筋肉は赤でモニターに映し出されます。
どの参加者も、太ももの裏の筋肉や背中の筋肉など、腰ではない筋肉が硬くなっていました。例えば、一晩に9回しか寝返りをうたなかった女性は、胸の筋肉が硬くなっていました。

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ガッテン!『腰痛患者の8割が改善する最新メソッド』より

長い間、腰痛に悩んでいる人は、普段から腰をかばう動きをしてしまいます。それで、気づかないうちに、全身の筋肉が硬くなってしまうそうです。
実験参加者たちにとっては、腰以外の筋肉が硬くなっているというのは意外な事実だったようです。

寝返りをうつために筋肉を鍛える必要はある?

普通に生活をしていれば、寝返りをうつために必要な筋肉は備わっているので、寝返りをうつために筋肉を鍛える必要はないそうです。筋肉の量を増やすよりも、柔らかさのほうが重要なわけです。
赤ちゃんは、とても寝相が悪いです。それは、赤ちゃんの体はとても柔らかく、とくに、背骨の関節が柔らかいので、少しの力で寝返りができてしまうからです。赤ちゃんに腰痛がないのは、もちろん、年齢も関係していますが、たくさん寝返りをしているからだとも考えられると山口先生は話していました。

姿勢が良すぎる人も腰痛になりやすい理由

姿勢の悪い人が、腰痛になりやすいというのは広く知られたことです。けれども、実は、姿勢が良すぎる人も、腰痛があることが多いのだそうです。それは、ずっと同じ姿勢を保っていると、筋肉が収縮している状態(緊張状態)が続き、毛細血管が圧迫されて、血液の流れが悪くなり、疲労による痛みが出ると山口先生は説明をしていました。

 

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腰痛を改善するための4つのストレッチ

番組では、山口先生たちの臨床の現場で7年間、約2,000人が実践し、7割~8割の腰痛が改善したという4つのストレッチを紹介していました。
できなくても無理はしないこと、どのストレッチも力を抜いて、深呼吸を続けることに注意して実践してください。

●腰をねじる
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ガッテン!『腰痛患者の8割が改善する最新メソッド』より

1. 上の画像のように、横になって右足のひざを立てます。
2. 立てた右ひざを左のほうに倒し、右手はバンザイをします。
足を倒すときに、力を入れてねじろうとしないで、重力にまかせること、膝と肩が床から離れないようにするのがポイントです。
3.1ポーズにつき6回深呼吸、左右1セット×3が目安。

●ひじ立て+ひざ曲げ

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ガッテン!『腰痛患者の8割が改善する最新メソッド』より

1.うつぶせになり、ひじを立ててから、膝を曲げます。
2.1ポーズにつき6回深呼吸、3セットが目安。痛みや硬さを感じなくなるのが目標です。

●ひざ抱え

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ガッテン!『腰痛患者の8割が改善する最新メソッド』より

1.仰向けで横になり、両方のひざを立てます。
2. 右手で右ひざ、左手で左ひざを抱えます。
3.両ひざが胸につくように手でひざを押します。
4.6回深呼吸をして、ひざを立てたままの仰向けの状態に戻ります。3セットが目安。太ももが胸につくようになるのが目標です。

●タオルで脚上げ

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ガッテン!『腰痛患者の8割が改善する最新メソッド』より

1.ひざを立てて、ひざ小僧にタオルをかけます。
2.タオルを片足のつま先に引っかけます。
3.ひざを伸ばしたまま、手の力でゆっくりと脚をあげる。
4.1ポーズにつき6回深呼吸、左右1セット×3が目安。ひざが伸びたままで、足の裏が天井をむくようにするのが目標。

●ストレッチをする前に医師に相談が必要な人
立って前屈や後屈をしたときに、腰から脚の方まで痛みが広がる人は、神経を圧迫している可能性があるそうです。ですから、すぐにストレッチを始めるのではなく、まず、整形外科を受診するようにと山口先生が話していました。

●ストレッチの効果を検証
番組では、腰痛があり、寝返りの回数が一晩に10回以下だった6人に、4つのストレッチを2週間実践してもらい、寝返りの回数の変化を調査しました。
その結果、ストレッチをする前は、一晩に5回しか寝返りをうっていなかった女性が、17回も寝返りができるようになりました。6人中4人が10回以上寝返りができるようになったのです。効果のあった参加者たちは、腰の痛みや違和感がなくなったと、すがすがしい笑顔で語っていました。

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ガッテン!『腰痛患者の8割が改善する最新メソッド』より

山口先生は、ストレッチを1か月間続けることを勧めていました。

 

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寝返りをうちやすくする寝具

山口先生によると、柔らか過ぎるマットレスは、お尻の部分が沈んでしまうので、寝返りがうちにくくなるそうです。また、お尻が沈むと、腰椎が曲がった状態で眠ることになるので、じん帯が伸びてしまい、痛みの原因にもなるとのことです。
また、枕も柔らかすぎると寝返りがうちにくくなるそうです。番組では、寝返りをうちやすくする枕を紹介していました。
<用意するもの>
かための座布団と幅50㎝以上のバスタオルを1枚ずつ
<作り方と使い方>
座布団の上にバスタオルをたたんで、角をきちんと直角にあわせます。

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ガッテン!『腰痛患者の8割が改善する最新メソッド』より

角を肩口に当てて、横向きに寝ます。

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ガッテン!『腰痛患者の8割が改善する最新メソッド』より

顔の中心を通る線が、布団と並行になるのがベストな枕の高さだそうです。首が回るので、寝返りがうちやすくなります。

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番組では、さまざまな腰痛グッツが紹介されていました。もちろん、腰痛が治れば使う必要はないのですが……ストレッチの効果がでるのには数週間かかります。それまでの間、痛みを和らげるために使うという選択もありますね。

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まとめ

今回、番組で紹介されていたストレッチを実践して、50年間悩んでいた腰痛から解放された女性もいました。完治から5年間、再発もないそうです。1か月間、夜寝る前にストレッチを続けるというのは、なかなか大変だと感じる人もいると思います。けれども、それで辛い腰痛から卒業できるのであれば、やってみる価値はありそうですね。


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