知ってました?11月14日は世界糖尿病デーだそうです。
日本でも各地で糖尿病撲滅のテーマカラーであるブルーのライトアップがされるということで、認知度は低いですが広範囲でキャンペーンが行われるようです。糖尿病の国際機関である国際糖尿病連合によると、世界で糖尿病を患う人はやく3億8000万人。中でも中国の9600万人、インドの6600万人が突出して多く、今後の経済発展とともにさらに増加していくのではないかと予想されます。
この糖尿病、世界で510万人が死亡しており、番組によると6秒に1人の割合で糖尿病で人が死んでいる計算になるのだとか。もちろん日本も例外ではなく、なんと3分の1の人が糖尿病もしくはその予備軍だという話です。3分の1ということであれば、日本人の不健康さもここまで来たかって感じです。さらに悪いことに、糖尿病だったり糖尿病予備軍だったりするのに放置している人が多いそうです。死に至る病ですからもっと注意を向けておくべきではないでしょうか?
番組では、この糖尿病との付き合い方を学べる教育入院なるものをお笑い芸人のえとう窓口さんと視聴者2名が実際に試してレポートしていました。
- 食事と運動を入院して体感することで自宅での治療がスムーズに進むようにするのが目的
- 教育入院は全国の約300の施設で実施されている
- 血糖値が200とか300あった人が100まで下がるというように劇的な効果が出ることもある
教育入院をする病院は東京済生会中央病院です。
教育入院にチャレンジする人
えとう窓口さん
お笑い芸人
前田さん
一般視聴者。以前、糖尿病と診断されたが自己流の方法で治した経緯を持つ(糖尿病型⇒境界型になった)。
井上さん
3年前の検診では問題なしだが体重が10キロ以上増えており不安を持っている。
まずは糖尿病の診断をします。
空腹時血糖値とヘモグロビンA1cの値から判定
血糖値が126以上かA1cが6.5以上で糖尿病と診断
血糖値が110~126か、A1cが6.0~6.5で境界型(予備軍)
検査の結果、
えとう窓口さん⇒問題なし
前田さん⇒検査の結果糖尿病型
井上さん⇒検査の結果境界型
ということでした。
前田さんは治したと思っていたら悪化して糖尿病になっていて、井上さんは検査前の不安が的中し糖尿病一歩前の境界型との診断結果でした。
糖尿病の基礎知識
糖尿病というのは血中の糖を上手にコントロールできないために引き起こされる病気です。糖とは糖質のことであり、食品名でいえばご飯、パン、芋類、果物、砂糖などです。
血液中の糖は食事をすることで濃度が上がります。濃度が上がった糖は本来ならインスリンの働きによって臓器や筋肉に取り込まれますが、インスリンの働きが悪くなると取込まれることなく血液中にとどまります。つまり、血中の糖の濃度が上がる”高血糖状態”が続きます。高血糖状態が続くと血管の内側が傷つき、動脈硬化を引き起こしたりします。
下の画像は番組で紹介されていた心臓の血管を移した画像です。
健康な人と糖尿病の人とでは血管の太さが違うことがわかると思います。
番組では肥満と糖尿病の関連性についても解説がありました。結論から言うと“肥満は糖尿病のリスクを高める”ということです。
膵臓から分泌されるインスリンは、臓器や筋肉が糖を取込む手助けをする重要なホルモンです。ところが、肥満で肝臓に脂肪がたまるとインスリンの効きを悪くする物質が分泌され、糖が臓器や筋肉に取り込まれにくくなってしまいます。糖が血中にとどまるので高血糖状態が継続してしまい、血糖値が下がりにくい=糖尿病になりやすいということになります。
肝臓に脂肪がたまった状態を脂肪肝といいますが脂肪肝だと糖尿病になるリスクが高くなるわけです。
実践!教育入院
食事編
済生会病院の教育入院で必要な持参物は、運動靴、歯ブラシ、茶碗です。茶碗は自分の日常生活でどの程度のご飯が食べられるのかを具体的に把握するために持参するそうです。確かにご飯何グラムと言われてもピンときません。実際に使っている茶碗でこのくらいと目安が示されれば帰宅した後も基準ができて継続しやすくなります。
ご飯量の目安
ご飯はゆっくりとよく噛んで食べると早く満足感が得られるのでドカ食いを防ぐことができます。
糖質だけでなくタンパク質や脂質などバランスよく食べる
塩分は控える
食べるときは野菜から⇒血糖値の上昇がゆるやかになる
野菜は一日350g以上摂る
<生野菜一食分の目安>
<加熱した場合の目安>
運動編
運動は血液中の糖を消費するのに役立ちます。糖が消費されるので血糖値は当然下がります。
行いたい運動は2種類。有酸素運動と無酸素運動です。有酸素運動は糖を直接消費しますし、無酸素運動は筋肉を太くすることで糖の消費量を底上げする効果があります。特に食後1~2時間の間は糖の消費が盛んになる時間帯ですから、この時間帯に運動をすれば血糖値を下げることができます。
東京済生会中央病院 島田朗氏の話
『日本人の糖尿病の95%が2型糖尿病で生活習慣に問題がある人が多い。初期であれば食事や運動など生活習慣を見直すことで改善できる。ヘモグロビンA1cが8%以上だと薬での治療を検討し始める。
すい臓のインスリンを作る細胞が破壊されるタイプの1型糖尿病の場合、インスリンが分泌されないので最初からインスリン注射が必要になる。』
食後高血糖
ゲストの梅沢富雄さんは、食後に血糖値がぐんと上がりしばらくすると下がるタイプで、医師からはかくれ糖尿病と言われているそうです。これは島田医師によると“食後高血糖”と呼ばれるものだそうで、インスリンの分泌や効きが悪く、食後数時間経っても血糖値が高いのが特徴です。通常の健康診断では空腹時に血液検査をするので発見しにくいのですが、糖尿病の初期である可能性があるので精密検査を受けたほうが良いとのことでした。
なお、梅沢富雄さんはとても野菜が嫌いなのだとか。島田医師によると、そういう場合は野菜ジュースも選択肢の一つとして考えたらどうかと提案されてました。ただし、野菜ジュースも様々で、中には糖分や塩分が多いものがあるので、できるだけそういうものが入ってないものを選ぶことが大切なのだそうです。
糖尿病と食事
Q:糖尿病が心配な人は甘いものは避けるべき?
避けた方がいいが食べるなら医師の許可を得たうえでデザートとして食後に食べるのが良い。血糖値をコントロースするためには食事前にしっかりと血糖値を下げておくことがとても重要。もし間食をしてしまうと、食事前に下げるべき血糖が高いまま維持されるので良くない。
Q:甘いものを食べるなら和菓子?洋菓子?
洋菓子の方が良い。和菓子はすべて糖質ということが少なくない。ただし、洋菓子はカロリーが高いので太ってしまっては糖尿病に良くないので注意しないとダメ。
Q:糖質制限ダイエットが流行っているが?
糖質制限食は糖尿病の食事として注目されているが、かといってタンパク質や脂質を食べすぎると体重増加や動脈硬化の原因になるので注意が必要。
まとめ
やはり、肥満が入口になっているケースが多いようなので、早めに運動や食事制限をして適正な体重を維持したいものです。特に40代以降になってくると本人が考えている自分の体質とはまた違った方向に体質が変わっていくこともあるので、そういう傾向を早く発見するには定期的な検査が必要ですね。