脂質異常症の治療~食事・運動・薬~きょうの健康より

脂質異常症と診断されてしまったら、食事や運動、禁煙などの生活習慣の改善が必要になります。さらに、それでも改善しない場合には薬を用いた治療に移ります。
今回は、脂質異常症の治療に関する一連の情報を紹介していた『きょうの健康』をまとめておきたいと思います。
脂質異常症の治療は、コレステロールや中性脂肪の値を改善するだけでなく、動脈硬化を防いで狭心症や心筋梗塞を防ぐことを治療の目的として行うべきだそうですから、是非それを念頭においてお読みください。

 

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脂質異常症の治療法

りんくう総合医療センター病院長で大阪大学大学院特任教授の山下静也氏が詳しく解説していました。
まず、コレステロールの目標値は以下のように定められています。

・ 悪玉LDLコレステロール
…狭心症や心筋梗塞のリスクに応じて目標値が変わります。
・ 善玉HDLコレステロール
…40mg/dL以上
・ 中性脂肪
…159mg/dL未満

これを数値目標として、以下のような治療を実行していきます。

・食事療法
伝統的な日本食が勧められているそうです。日本食は魚や大豆製品が中心で食品バランスが良いため、悪玉LDLコレステロールや中性脂肪対策になるそうです。昔から日本人は欧米人に比べて狭心症や心筋梗塞による死亡が少なかったため、それには日本食が関係しているのではと、世界でも注目されているそうです。
以下は食事療法のポイントです。

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きょうの健康『脂質異常』より

各項目について山下氏は以下のように解説していました。

1、 肉と魚では脂の種類が違います。肉の脂に含まれる飽和脂肪酸は悪玉コレステロールを増やしてしまいますが、青魚に多く含まれる不飽和脂肪酸(DHAやEPAなどのn-3系多価不飽和脂肪酸)は悪玉を増やさず中性脂肪を減らし、動脈硬化を防ぐ効果があるそうです。

2、 バター・ラードと植物油を比較すると、前者には飽和脂肪酸が、後者には不飽和脂肪酸が多く含まるそうです。ただし、植物油を多く摂れ、ということではないそうです。油はエネルギー量が多いので、摂りすぎて肥満にならないように注意する必要はあります。また、マーガリンやショートニング、ケーキ、ドーナツ、揚げ物に多く含まれる「トランス脂肪酸」も悪玉を増やし善玉を減らすので注意が必要です。

3、 食物繊維は小腸でコレステロールの吸収を抑えるため、コレステロールの吸収を抑え悪玉コレステロールを少し減らすそうです。野菜やキノコ、海藻、果物、コンニャク、イモ類などに含まれ、さらに穀類では白米よりも玄米や麦などに多く含まれ、パンなら全粒粉やライ麦のパンに多く含まれるそうです。

4、 大豆は食物繊維が多く不飽和脂肪酸が多いので効果的だそうです。

5、 卵はコレステロールを非常に多く含んでおり悪玉が増える恐れがあるそうですから、悪玉の数値が高い人は注意が必要です(コレステロールを含んでいるのはほとんどが黄身なので、白身は気にしなくても大丈夫です)。ただし、どの程度数値が上がるかは個人差が大きいといいますから、医師や管理栄養士と相談して摂取する量を加減するようにしましょう。レバーやうなぎなども同じ理由から食べ過ぎには注意が必要だそうです。

6、 内臓脂肪型の肥満は脂質異常症などの原因になるので、内臓脂肪に大きな影響を及ぼすお菓子や果物のとりすぎには注意が必要だそうです。

・運動療法
運動療法は有酸素運動によって行います。

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きょうの健康『脂質異常』より

少し汗がにじみ出る程度の強度で行います。
有酸素運動によって体重、特に内臓脂肪が減るので中性脂肪や善玉の値が改善するそうです。(善玉は食事だけでは直接改善することは難しく、運動だけで効果が立証されているそうです。)

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きょうの健康『脂質異常』より

運動は、脂肪を減らす以外にも、血圧の低下やストレス解消など良い効果をたくさんもたらしてくれますから、ぜひ生活に取り入れるようにしましょう。
外で運動できない人のために、自宅でできる「ベンチステップ運動」が紹介されていました。

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きょうの健康『脂質異常』より

このステップと同じようなものを用意して、「1,2」でステップに上がり、「3,4」で降りる動作を繰り返します。元気な人は1分間に20回、無理なら10〜15回行います。ふらつく方は何かにつかまりながら行いましょう。

・禁煙
喫煙は狭心症や心筋梗塞などの直接の原因になり、善玉を減らすなどの悪影響もあります。
近年は医療機関で禁煙治療が受けられ、成功率も高いそうですから、受診を検討すると良いでしょう。

 

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薬物療法

以上のような治療を行っても改善しない場合、薬を用います。

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きょうの健康『脂質異常』より

薬物療法では悪玉コレステロール対策に重点が置かれています。
「スタチン」という薬がもっとも効果が認められているそうで、それで不足が認められる場合には他の薬も用いるそうです。新しくPCSK9阻害薬が登場するなど、選択肢は増えているようです。
副作用は軽いものがほとんどですが、スタチンの副作用としてまれに「横紋筋融解症(おうもんきんゆうかいしょう)」が起きることもあるそうです。筋肉の細胞がダメージを受けて腎臓の機能が悪くなる病気なので、筋肉の痛みなどを感じたらすぐに医師に相談する必要があります。ただし非常に稀なのでそれほど心配する必要はないそうです。

 

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まとめ

山下氏によると「目標値をクリアすればいい、というのでは不十分で、糖尿病や高血圧、慢性腎臓病などの病気の治療も欠かしてはならない」と指摘していました。
さまざまな症状・病変などが関連して数値は変化しますから、自覚症状がなくても検査を受けるなどしながら、脂質異常症の治療を続けるようにしましょう。


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