女性の更年期障害の症状と対処法~きょうの健康より

先日の『きょうの健康』のテーマは「女性の更年期障害の対処法」でした。更年期のうつなどを専門にする精神科医の加茂登志子先生(東京女子医科大学附属女性生涯健康センター所長)が女性の更年期障害に対処するための生活環境の見直し方や薬物療法について説明していました。

 

スポンサーリンク

 

女性の更年期障害とは?

女性の更年期は、閉経を挟んだ10年間だそうです。日本人女性は平均50歳で閉経するので40歳から60歳までが女性の更年期です。更年期は、エストロゲンという女性ホルモンの分泌量の急激な変化によって起こるとのことです。卵巣から分泌されるエストロゲンは、40歳前までは卵巣の活動が活発なので安定した量が分泌されています。けれども、40歳ごろから卵巣は活動、休止を繰り返すようになるため、エストロゲンの分泌量が不安定になるとのことです。そして、60歳ぐらいになると、体がエストロゲンの少ない状態に順応するようになるので更年期は終わると加茂先生は説明していました。

20160910223205

きょうの健康より

女性の更年期障害の症状と原因

女性の更年期障害の症状には、ほてり、発汗、冷え、肩こり、動悸、頭痛、もの忘れ、考えがまとまらない、気分の落ち込み、不眠、イライラなどがあるとのことです。

20160910223450

きょうの健康より

全く症状のないまま更年期を終える人から重症化して起き上がれなくなる人まで、女性の更年期障害には個人差はあるそうです。女性の更年期障害が発症するきっかけには、子供の独立、夫の定年、親の介護などの家庭環境の変化や仕事で責任のある立場になる、社会から孤立するなど社会環境の変化から受けるストレスがあると加茂先生は説明していました。実際に加茂先生の更年期障害の症状が発症したのは、仕事で責任のある立場になってプレッシャーを感じたことがきっかけだったとのことです。

 

スポンサーリンク

 

女性の更年期障害の検査

更年期障害の症状が出てきたのではないかと思ったら、1人で悩み続けるのではなく婦人科や女性外来を受診することを加茂先生は勧めていました。検査では、月経、人間関係、ストレスなどについての問診、女性ホルモンの量を調べる血液検査が行われるそうです。また、他の病気ではないかを調べるために、甲状腺、婦人科疾患、心臓病、うつ病の検査も行われます。

女性の更年期障害に対処するために生活環境を見直すポイント

女性の更年期障害の症状に対処するためには、まず生活環境を見直すことが大切だそうです。番組では、加茂先生が5つのポイントを説明していました。
1.十分な睡眠
  睡眠が不足すると更年期障害の症状が重くなるので、十分な睡眠を取る工夫が必要だそうです。体のほてりを取って寝つきを良くするためには水まくらがお勧めだそうです。また、入浴は寝る2時間前までにすませること、夜カフェインを取らないことなども睡眠の質を上げるために試してほしいとのことです。 

20160910223626

きょうの健康より

2.運動
  血行を良くするために楽しくできる運動(ウィーキング、水泳、ダンスなど)をすることで更年期障害の症状を抑えることができるとのことです。

20160910223714

きょうの健康より

3.情報を統一化
物忘れがひどくなると、数日前のことも忘れてしまうそうです。ですから、1つの手帳に仕事のスケジュールと日記をまとめておくと良いとのことです。そうすることで、何が起こっていたのかと何をしなくてはいけないのかが同時に確認できるのでストレスが減ると加茂先生は説明していました。

20160910223804

きょうの健康より

4.がんばらない
更年期には、それまで出来ていたことが出来なくなってしまうことがあります。そのときは、更年期だからしょうがないとあきらめることも大切だと加茂先生は説明していました。また、家族に更年期障害のことを話し、食事や家事を協力してもらうことも大切だそうです。

20160910223845

きょうの健康より

5.仲間と会話
加茂先生によると、辛いことを人に話すことは良い治療になるそうです。ですから、更年期障害を独りで抱え込まずに、周りの人に悩みを相談などすると良いとのことです。

女性の更年期障害の症状を和らげるサプリメント

加茂先生によると、大豆イソフラボンが腸内細菌を変化させて作り出す物質のエクオールが、更年期障害の症状を少し和らげてくれるそうです。自分でエクオールを作れる日本人は50%だけなので、サプリメントで摂取するのが加茂先生のお勧めだとのことです。

mametisiki

自分の体内でエクオールが作れるかどうかを調べることができるキットが販売されています。

女性の健康を応援する / エクオール検査「ソイチェック」
ヘルスケアシステムズ

加茂先生は、自分でエクオールを作ることができない人には、エクオールのサプリメントをお勧めしていました。

大塚製薬 エクエル 112粒
エクエル

女性の更年期障害の薬物療法

女性の更年期障害の対処法には、薬物療法もあります。ホルモン補充療法は、足りなくなったエストロゲンを体に補充します(飲み薬、塗り薬、張り薬など)。5年以上ホルモン補充療法を続けると乳がんのリスクが若干高まりますが、5年未満であれば問題ないとのことです。治療期間は個人差があり、加茂先生の場合は1年ぐらいで症状が回復したので徐々にホルモンを補充する量を減らしていったそうです。
また、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、加味逍遥散(かみしょうようさん)、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)といった漢方薬も症状を抑える働きがあるとのことです。
さらに、抗うつ薬(のぼせ、発汗の軽減)、抗不安薬、睡眠薬が治療に使われることがあると加茂先生は説明していました。

20160910224039

きょうの健康より

まとめ

女性の更年期障害の症状は個人差がとても大きいのですね。できれば、症状が出ないことを願います。けれども、更年期の症状が出たときのために、1人で悩まなくていいような人間関係を作っておきたいです。また、更年期障害には終わりがあるそうですが、重症化させないためにも対処法をしっかりと覚えておくと良いですね。


スポンサーリンク

コメントは受け付けていません。