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お酒も量が過ぎると身体にはよくないと言われますが、具体的にはどの程度でどんなリスクがあるのか調べてみました。
アルコール量で比較する
まず、単純にアルコールといってもいろいろな種類があるため、それらを同じ基準に合わせる必要があります。
そこで便利なのがアルコール量の計算式です。お酒に含まれているアルコール量は以下の計算式に当てはめることで具体的な数値を算出することができます。
アルコール量の計算式
お酒の量(ml)×(アルコール度数÷100)×0.8
もう少し単純化して
お酒の量(ml)×アルコール度数×0.008
と覚えておいてもいいでしょう。アルコール度数の部分は%表示ですが、上記の単純化した計算式であれば%を取り払った数値(5%なら5)で計算して大丈夫です。
例えば、昔ながらの居酒屋でスーパードライの生中を飲むとすると、アルコール量は以下のようになります。
【居酒屋で生ビールを飲んだ場合】
350×5×0.008=14(g)
【前提】
標準的な435mlの中ジョッキで泡部分を除いたビールの正味量を350mlで計算。
この場合は2杯飲めばアルコール量は28gです。
ただし、この計算の場合はあくまで中ジョッキの正味量が350mlと計算しています。最近は店によって中ジョッキの容量も350ml~500ml前後と幅がありますから目安として考えましょう。
お酒の種類とアルコール量
次にもうちょっと具体的にどんなお酒をどのくらい飲むとアルコール量はどれくらいになるのかを見てみましょう。
種類と度数 | アルコール量 |
---|---|
日本酒1合(180ml) アルコール度数15% |
22g |
ビール350ml缶1本 アルコール度数5% |
14g |
焼酎1杯(90ml) アルコール度数25度(25%) |
18g |
ワイングラス1杯(125ml) アルコール度数14% |
14g |
ウイスキーダブル(60ml) アルコール度数43% |
20g |
当然ですが、アルコール度数が高くなるだけアルコール量の割合も高くなります。ビールは度数が5%程度のため、他のお酒よりもたくさん飲めるわけですね。
病気リスクが高まるアルコール量
では本題です。
お酒の飲み過ぎは肝臓を壊すよなどとよく言われますが、これも医学会で共有されている基準値が存在します。
アルコール20g程度
日本酒(15度)で166ml(1合弱)
ビール(5%)で500ml
ワイン(14%)で178ml(ワイングラス1杯半)
焼酎(25度)で100ml
ウイスキー(43度)で58ml
この基準を超えたからといってすぐに病気になるわけではありませんが、適量以上の飲酒を5年10年継続することで病気のリスクは飛躍的に高まる場合もあります。アルコールの過剰摂取が引き起こす病気にはどんな病気があるかを見ていきましょう。
膵臓疾患リスク
慢性膵炎も急性膵炎もアルコールの大量継続摂取が大きな原因のひとつと言われています。
1日80gを10年以上でリスク上昇
ビール(5%)で2000ml(350ml缶5本半)
ワイン(14%)で714ml(ワイングラス5杯半)
焼酎(25度)で400ml
ウイスキー(43度)で232ml
(NHKきょうの健康をもとに算出)
肝臓疾患リスク
肝臓疾患の場合、一日のアルコール量が80gを超えてくるとリスクが一気に高まると言われています。
アルコール80g~160g/日
ビール(5%)で2000ml(350ml缶5本半)~4000ml(350缶11本半)
ワイン(14%)で714ml(5杯半)l~1428ml(ワイングラス杯(11杯半))
焼酎(25度)で400ml~800ml
ウイスキー(43度)で232ml~465ml
アルコール160g以上/日
ビール(5%)で4000ml(350缶11本半)以上
ワイン(14%)で1428ml(ワイングラス11杯半)以上
焼酎(25度)で800ml(1杯90mlとして9杯弱)以上
ウイスキー(43度)で465ml(ダブルで8杯弱)以上
お酒に弱い人は飲酒で糖尿病のリスクが増加
東海大学八王子病院健康管理センター長の高橋英孝氏が発表した研究結果によると、
アルコールに強い人(顔が赤くならない、お酒に強い)とそれほど強くない人(顔が赤くなる、気持ち悪くなる)を飲酒量別に分け、それぞれのインスリンの出具合を比較したみたところ、アルコールに強くない人の場合は飲酒量が増えるにつれてインスリンの出具合も低くなるという結果が出たそうです。これは糖尿病のリスクが上がるということを示しています。
比較するのはHOMA-βという数値で、日本語でいうとインスリン産生能といわれています。数値単位は%です。
【HOMA-βの基礎知識】
欧米人の正常値が100%
とされ、
日本人の正常値は概ね70%程度
ということになっています。この差は欧米人よりも日本人のほうがインスリンが出にくいという民族的な特徴を表しています。欧米人に比べて日本人の方がお酒に弱い人が多いということですね。
また、HOMA-βの値が20%を下回るとインスリン治療が必要なのだそうです。
お酒に強い人の場合
お酒に強い人は飲む量でHOMA-βの数値に大きな変化はないようです。時々2合未満の多少の飲酒をする人も、毎日2合以上の飲酒とする人も数値にさほど変化はなく、概ね55%~60%弱で推移しています。
お酒に弱い人の場合
お酒に弱い人の場合、飲酒量と飲酒頻度によって数値に変化が見られます。
時々2合未満飲む人⇒時々2合以上飲む人⇒毎日2合未満飲む人⇒毎日2合以上飲む人の順にきれいに数値が下がっていきます。特に、毎日2合以上飲む人になると、全く飲まない人に比べて20%以上も数値が低くなっているそうで、45%を割り込んでいました。
再度言いますが、日本人の正常値は70%、20%を割り込むとインスリン治療の対象となります。この点からも、お酒を飲んで顔が赤くなるような人は休肝日を設ける、飲むにしても2合を目安にするといった心がけが必要な感じです。
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アルコール量の調整の仕方
多くの医師は、休肝日を設けるなどして身体への負担を減らすように言いますが、よくあるパターンは休肝日の翌日にドカ飲みするパターン。
せっかく肝臓を休ませても翌日に大酒を飲んではあまり意味がないそうです。なぜならアルコールの身体へのダメージは少しずつ蓄積していくからです。『休肝日を設けたから・・・』、『一定期間禁酒したから・・・』といってその後でたくさん飲んでは意味が無いということです。そうならないためにアルコール量を把握しておくことは意味があることです。
1日あたりの適量は20gとなっていますが、これでは少なすぎるという人もいるでしょう。飲み始めるとブレーキがかからないという人も多いはずです。
そういう場合は休肝日を設けつつ飲む量も調整するというやり方が有効です。
例えば、2日に1回飲むとすると、1回あたりの適量は40gになります。日本酒なら2合、ビールの500ml缶なら2本、ワインなら360ml程度ですからワイングラス3杯までいけます。
もっと長くスパンを取って、一週間単位で見ると、20g×7日=140gまでは許容量ということになります。さすがに週に一回140gのアルコール量となると身体へのダメージも大きいですからおすすめはできませんが、140gを一つの限度として、『今週はあと100g分飲める』といった感じで楽しみを後にとっておくやり方だとうまくコントロールできるかもしれません。
20g/日×2日=40g程度は飲める!
具体的には・・・
ビール(5%)で1000ml
ワイン(14%)で366ml(ワイングラス3杯)
焼酎(25度)で200ml
ウイスキー(43度)で116ml
20g/日×3日=60g程度は飲める!
具体的には・・・
ビール(5%)で1500ml
ワイン(14%)で544ml(ワイングラス4杯半)
焼酎(25度)で300ml
ウイスキー(43度)で174ml
肝臓の修復力をケアする
お酒を毎日のように飲む人にとっては肝臓のケアも大切です。
アルコールの分解を担う肝臓にとって、毎日過剰にアルコールを摂取することは日々働き詰めになっているのと同じことで、ダメージは日々蓄積されています。
健康な肝臓であれば、多少のアルコールなら受けたダメージ以上の修復、回復力があるので気にすることもありませんが、修復力を超えるダメージを与え続けてしまうと肝硬変といった生命に関わる病気につながっていくわけです。特に、アルコールを摂取すると悪酔いする、翌日に残って二日酔いになる、といった症状が現れるようになると肝臓の修復力減退を疑ったほうが良いでしょう。また、肝機能の数値に異常が出てきた人は医師にかかり、必要ならば治療を受けて回復を図らねばなりません。
そうならないために、肝臓は日々の生活の中でいたわってやることが大事です。
ダメージを受けた肝臓はいたわる必要があります。いたわるというのは
◯添加物が含まれている食品をできるだけ摂らないこと
◯バランスのとれた食生活をおくること
といったことになりますが、現代社会においては、どれもなかなか実行し続けるのは難しいものです。
そこで、肝臓に良いとされるオルニチンなどを含むサプリメントが頼られています。
オルニチンには肝臓の保護・補修効果があります。オルニチンを飲めばアルコールのダメージがなくなるというわけではありませんが、ケアするといった側面から考えると、一つの有効な手段だといえるでしょう。
オルニチンを含む健康食品としてはしじみ習慣が有名です。しじみ習慣はオルニチンのサプリメントというよりは、しじみエキスを濃縮した健康食品という位置づけです。オルニチン以外のしじみに含まれている栄養成分をしっかりと補うことができます。
こちらにしじみ習慣についてまとめてありますので、気になる方は読んでみてください。
お酒の強さと病気のリスクがわかる検査
以上、アルコールの適量と病気について見てきましたが、アルコールの適量とか、病気のリスクとか言ってみても個人差はかなりあります。体質的なものに左右されるわけですから、一概に基準値だけを頼りにしても、、、と思われる方もいらっしゃいます。
そういう方には、遺伝子検査がおすすめです。あなたの遺伝子検査の結果から、お酒に対する耐性や病気のリスクを測ろうというものです。
こちらのサービスでは、
◯お酒が強いのかどうか
◯お酒によって病気にかかるリスク
の2つを遺伝子レベルで判定してもらえます。
国が推奨するアルコールの適量はあっても、お酒に強くない人にとってはそれすら危険領域だったりします。特に顔がすぐに赤らむ人で、特定の体質を持つ人は少量の飲酒でも食道がんなどのリスクが何十倍にも跳ね上がるという話もテレビなどで話題になっています。
この検査はそういうリスクを事前に知った上でお酒と上手に付き合っていくことができる便利なものといえるでしょう。