「あの二人は同じ年齢なのに、見た目の若さが全然違う」ということがありますよね。
これは「糖化」という現象が原因である可能性があります。
糖化というのは、いわば“体の焦げ”で、肌の老化などを引き起こします。外見だけでなく血管や骨の老化にもつながるため、心筋梗塞や骨粗しょう症などの病気の原因にもなるといいます。
今回は、糖化の仕組みや原因を解説し、対策法についても紹介していた『健康カプセルゲンキの時間』を中心に、糖化に関する情報をまとめてまいりたいと思います。
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糖化とは
同志社大学生命医科学部の八木雅之氏によると、「糖化というのはブドウ糖とタンパク質が結合すること」で、結合してAGEという糖化物質が発生すると糖化はさらに促進されるそうです。
体内で糖化が進むとどんな悪影響が出るかがよくわかる実験があります。
タンパク質の塊である豚の皮を、「水」と「ブドウ糖を混ぜた水」にそれぞれ漬けて変化を見ます。
健康カプセルゲンキの時間より
ブドウ糖を混ぜた水に漬けた方が、色が濃くなってしまっています。しかも触ると硬くなっているそうです。
人間は体中がタンパク質でできているため、糖化が生じると体中でこの悪影響が生じます。
たとえば、骨を構成しているコラーゲンもタンパク質の一種です。コラーゲンが糖と結合すると骨本来のしなやかさが失われて、骨粗しょう症の恐れが高まります。
血管の壁が糖化すると動脈硬化が進行します。そうして狭くなった血管が何らかの原因で詰まると、心筋梗塞などによる突然死のリスクが上がります。
さらに、アルツハイマー型認知症の人の脳の中には糖化したタンパク質が溜まっていることも明らかになってきているそうです。(健康な人の約3倍も多いそうです。)
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糖化を引き起こす生活習慣
番組では、実年齢よりも「糖化年齢」が25歳も高かったOさん(44歳女性)の生活に密着し、糖化の原因を探っていました。
Oさんは毎朝6時からお子さんのための朝食とお弁当作りを始めますが、本人は朝食を食べないと話していました。
医師はこれを「よくない」と指摘しました。朝食を抜くと、遅い朝食や昼食を食べた途端に血糖値が急上昇します。血糖値が高い状態というのは体内に糖が余っている状態なので、糖化が進んでしまうのです。これに関しては、血糖値が基準範囲内の人も要注意です。Oさんも実は血糖値が基準範囲内なのですが、急激に血糖値を高くするこの習慣を続けていたため、糖化が進んでいたのです。
健康カプセルゲンキの時間より
血糖値を急上昇させるという理由から、早食いや食べ過ぎも避けるべきです。
その後、Oさんは午後1時頃にその日の一食目をとっていました。
食べていたのがカップ麺だったのですが、医師はこれも問題視しました。糖質が多い食品ほど、余分な糖が体内にたまりやすいのです。
その一方で、夕食は野菜の和え物なども含んだバランスのとれたメニューでした。
しかし、Oさんの食事の様子を見ていた医師が「食べる順番」の問題を指摘しました。
血糖値の上昇を抑えるには…
野菜→肉魚→ご飯
という順番で食べるといいそうです。
食べる順番で、血糖値の上昇はこんなに変わります。
健康カプセルゲンキの時間より
飲み物でも、緑茶に含まれるカテキンにはAGEの生成を阻害する働きがあります。
カフェインが苦手な人はルイボスティーでも同じ効果が期待できるそうです。
徹夜での作業もいけません。
睡眠には糖化物質を排出する効果もあるので、1日7時間以上は睡眠をとるようにする必要があります。
Oさんは運動もしていませんでした。運動をしないと糖を燃焼しきれずに糖化物質が体内にどんどん溜まっていってしまいます。
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糖化ストップ体操
運動の習慣がない人のために、簡単にできる体操があります。
まず、手をグーにしてまっすぐ前に伸ばします。
その状態で踵を上げて上下に屈伸します。
健康カプセルゲンキの時間より
体の中で1番エネルギーを消費する大腿筋を鍛えることで、糖の燃焼を促す運動です。
1セット5回を、朝昼晩1セットずつやるようにしましょう。
○糖化セルフチェック
以下の項目にいくつ当てはまるかで、あなたの“糖化度”がわかります。
健康カプセルゲンキの時間より
3〜5個当てはまる人は黄色信号、6個以上当てはまる人は赤信号です。
同志社大学で糖化を研究している森田祐二氏によると「AGEは体内で作られるだけではない」そうで、食事から摂ってしまうという要素もあるといいます。摂取したAGEの多くは体外に排泄されるのですが、7%ほどは体内に残ってしまい、糖化を進めるそうです。
その食品にAGEが含まれるかどうかを大まかに見分けるポイントがあります。
健康カプセルゲンキの時間より
茶色の料理ほどAGEを多く含んでいる傾向にあります。
つまり、同じ食材を使った料理でも調理法を煮込むようにするなどの工夫をすれば、AGEは減らせるのです。
添えるものでもAGEを減らす工夫ができます。
例えば唐揚げなら、レモンと一緒に食べると酸が糖の吸収を緩やかにしてくれます。
揚げる前に肉にレモン汁をかけてから揚げると、さらに効果的だそうです。(普通に揚げた場合に比べておよそ半分になるそうです。)
健康カプセルゲンキの時間より
また、ヨーグルトには食後の血糖値の上昇を抑える効果があります。ヨーグルトのホエー(透明な上澄み部分)が糖化を抑制するそうです。
例えば肉をヨーグルトに漬け込み、揉んでから調理するのもいいでしょう。
健康カプセルゲンキの時間より
こうすることでヨーグルトに含まれる乳酸菌がタンパク質を分解して、お肉を柔らかくする効果もあるそうです。(砂糖の入っていないヨーグルトにしましょう。)
ヨーグルト単体で食べる時にどうしても甘みが欲しい人は、オレンジやキウイなどクエン酸を多く含むフルーツと一緒に食べるようにすると良いそうです。
食べ合わせも重要です。
例えばおにぎりと牛丼なら、牛丼の方が血糖値の上昇は緩やかになります。 お米だけを食べると血糖値が急激に上昇しますが、牛丼ならタンパク質や脂質と一緒に食べるので血糖値の上昇が緩やかになるのです。
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糖化に関連するその他の情報
・「血糖値スパイク」
血糖値スパイクとは、空腹時の血糖値は正常にも関わらず食後1~2時間のうちに急激に高血糖(140mg/dl以上)となる病態のことをいいます。
普段は正常であるため気づきにくいのですが、血管に与えるダメージは甚大で、もちろん糖化も促進されます。
詳しくはこちら(http://kenkouiji.info/?p=6288)の記事をご覧ください。
・GI値
GI値は、糖質の吸収のされやすさを表す数値です。
70以上の食品は高GI食品、56~69の間の食品は中GI食品、55以下の食品は低GI食品とされており、糖化が気になる方は低GI食品を食事に多く取り入れると有効です。
米や麦などは精白されていないものの方がGI値は低く、果物はジュースにするよりもよりもそのまま食べたほうがGI値は低いそうです。(食物繊維が多く含まれるため。)
・甘いものが好きな人は…
糖質を摂取すると中脳皮質にある「報酬系(A10神経系)」が刺激され、ドーパミンが分泌されるため、「糖質中毒」になることもあります。
糖質を我慢するときにイライラするという人は、鉄分とビタミンB群の補給が有効だそうです。
参考:
突然死の原因にもなる血糖値スパイクを早期発見する検診がスタート
「甘いもの中毒」
低GI値食品ダイエット
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まとめ
「食べるもの」によって外からAGEを摂る場合と、「生活習慣」によって体内でAGEを生成する場合の2パターンがあることがわかりました。
どちらも、食べる順番を変えたり一緒に食べる物を変えたりするだけで改善が見込めますから、セルフチェックで糖化度が高かった人は今回ご紹介した情報を参考に工夫をしてみてください。