放置すると心筋梗塞や脳卒中の原因となる高血圧。自覚症状がないことから「サイレントキラー」と呼ばれています。高血圧は、生活習慣病です。ということは生活習慣を改善すれば、血圧が上がるのを防げるということです。
先日の『きょうの健康』は、血圧を抑える生活習慣をテーマにしていたのでまとめておきます。
スポンサーリンク
血圧が上がる5つの原因
高血圧が専門の狩尾七臣先生(自治医科大学教授)によると、血圧が上がる原因は、「塩分の過剰摂取」、「肥満」、「運動不足」、「交感神経の過剰反応」、「血管の老化」の5つだそうです。
血圧は、血液が血管の壁にかける圧力です。
これらの5つの原因によって、心臓から送り出される血液が増えたり、血管が細く縮んだりするので高血圧になります。
高血圧の5つ原因はそれぞれ関係性がある
食事などから塩分を摂りすぎると、塩分と同時に体内の水分量が多くなり血液も増えます。
また、血圧を調整する働きのある交感神経は、ストレス、塩分の摂りすぎや肥満などが原因で過剰反応を起こします。すると、腎臓が塩分を排泄する働きが悪くなったり、血管が収縮したりするので血圧が上がるそうです。肥満は、交感神経の過剰反応の原因になるだけではなく、腎臓の働きも低下させてしまうと狩尾先生は説明していました。
さらに、運動不足は肥満の原因になり、動脈硬化(血管の老化)を進行させて血圧が上がってしまうのです。
スポンサーリンク
血圧を下げる3つのポイント
血圧が上がるの抑えるためには、生活習慣を改善しなくてはいけません。番組では、血圧を下げるための減塩、肥満解消、運動のポイントを紹介していました。
ポイント1:塩分の摂取量を抑える
狩尾先生によると、高血圧の人は1日の塩分摂取量を6.0g未満にする必要があるそうです。日本人の塩分の摂取量の平均が男性は10.9g、女性は9.2gなので6.0g未満にするのは、なかなか難しいですね。
食事の塩分を減らすには、
・塩分の多い食品を避けること
・味付けの工夫をすること
・食べ過ぎないこと
の3つが大切とのことです。
例えば、ラーメンなどの麺類を食べる場合はスープを残す、味噌汁は具を多くすることが減塩対策になります。また、ハムやソーセージなどの加工食品には、塩分が多いので食べる量に気をつけなくてはいけないそうです。
また、酸味、香辛料、だしを上手く活用して味付けをすると、塩分が少なくてもおいしく食べることができます。
そして、せっかく塩分を減らした食事を作っても、食べ過ぎては意味がありません。肥満防止のためにも、食べ過ぎないことが大切というわけです。
1日5g減塩すると、血圧が平均で5mmHg下がります。これで、脳梗塞と心筋梗塞のリスクが20%も低くなるそうです。
ポイント2:肥満対策
肥満度(BMI)25以上が肥満です。
血圧を下げるためには、BMIを25未満にする必要があるそうです。
ダイエットをする場合は、月に1kgを目安に、1年間続けることができればリバウンドの可能性が低くなると狩尾先生は説明していました。体重が1kg減ると血圧が1mmHgぐらい下がるそうです。
運動以外で肥満を解消する方法は、次のとおりです。
しっかり自己管理をすることが大切なのですね。
適度な運動
運動をすると体内に血管をしなやかにする一酸化窒素が出るそうです。
一酸化炭素が血管の平滑筋に働いて、血管を広げます。
一酸化窒素を出すためには、血流が増えなくてはいけません。ですから、心拍数が100~120/分になるような有酸素運動(ウォーキングなど)を1日30分以上(10分×3回も可)、できれば毎日、少なくとも週3日すると血圧を抑える効果があるそうです。
1日30分~60分の運動を続けると、血圧(上)が5mmHgぐらい下がるとのことです。
減塩など食事のメニューや量を調節して、適度な運動をすれば肥満が解消されます。そして、減塩、肥満解消、適度な運動で交感神経の過剰反応をなくすことが血管の老化を防ぐことになるのです。
狩尾先生は、高血圧を改善するためのレシピ本を監修しています。塩分が少なくてもおいしく食べれるレシピが満載です。
NHKきょうの健康 高血圧の食事術【ポケット版】 (すぐに役立つ健康レシピ)
苅尾 七臣
スポンサーリンク
まとめ
生活習慣病である高血圧は、悪い生活習慣の積み重ねで起こっています。塩分を控えて、適度な運動をすると、肥満の予防や交感神経の過剰反応を抑えて血管の老化を遅らせることができます。まずは食生活の改善と運動の習慣で、高血圧の改善・予防をしましょう。