片頭痛が治らない人のために頭痛専門医が進める対策と予防法~あさイチより

頭痛に悩まされているあなたは、もしかすると「片頭痛」という病気かもしれません。
病気であるという自覚がないまま耐えているとやがて悪化し、生活に支障がでることもあります。
推定患者数840万人ともいわれる片頭痛ですが、薬による治療や予防法を適切に実行すれば、ちゃんと改善していくそうです。
今回は、片頭痛に関するたいせつな知識を紹介していた『あさイチ!』をまとめておきたいと思います。

 

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片頭痛とは

番組では、自分が片頭痛であることを知るまで12年もかかってしまったというTさん(42歳主婦)の事例が紹介されていました。

Tさんは27歳で出産した後から、耐えられないほどの頭の痛みに頻繁に悩まされるようになったそうです。本人曰く「ズキンズキンという痛み。両側からぎゅーっと、孫悟空の輪みたいに締め付けられるような」痛みだそうです。次第に頭全体に痛みを感じるようになり、痛みの強さも「このまま死んじゃうのでは」というほどにまで悪化し、吐き気や目眩まで伴うようになったそうです。
Tさんは症状が出たときはいつも市販の鎮痛薬を飲んでいたといいますが、「いつどんな理由で頭痛が起こるのかがわからない」という恐怖・不安が本人を悩ませました。
痛みで家事や子育てができなくなってしまったTさんは、病院へ行くことを決意。吐き気が気になったのでまずは胃腸科に行きましたが原因はわかりませんでした。次にメニエール病を疑って耳鼻咽喉科に行きましたが「過労では?」と言われるだけで原因がわからず、脳神経外科で検査を受けてみても原因はわかりませんでした。
そして3年前、いよいよ市販の鎮痛薬では頭痛が治まらなくなってしまったそうです。

そんなときTさんは父親から「頭痛専門医にかかってみたら」とアドバイスを受け、頭痛専門医の存在を知りました。
頭痛専門医とは、全国に880人いる頭痛医療の専門医です。お父さんは新聞で読んで知ったそうです。
Tさんは専門医院での問診で、症状や今まで病院で言われたことなどを話しました。するとその場ですぐに「片頭痛」と診断されたそうです。脈打つ痛みや吐き気などは、片頭痛の典型的な症状なのです。
専門医に「治療すれば良くなる」と言われたTさんはとても気が楽になったそうです。

片頭痛の主な症状には以下のようなものがあります。

・ こめかみの周りが痛む
・ ズキンズキンと脈打つように痛む
・ 頭を動かすと痛みが強くなる
・ 頭痛と一緒に吐き気が起きる
・ 光と音を煩わしく感じる
・ ギザギザした光で視野が遮られる

頭痛専門医の五十嵐久佳氏によると、「片頭痛は片側だけの頭痛というわけではない。4割くらいの人は両側に痛みを感じる」そうです。
診断については「動くと痛みが強くて、ズキンズキンして、光や音が煩わしかったり吐き気がしたりする、そういう症状があればその人は片頭痛と診断する」そうです。

頭痛はさまざまな病気のひとつの症状として現れるものですが、片頭痛に関しては片頭痛という独立した病気だそうです。
しかし、片頭痛の人が脳神経外科を受診すると、MRIを撮っても異常は見られないため「異常なし」と診断されてしまうことがあるそうです。
上記の主な症状に当てはまる方は片頭痛を疑い、日本頭痛学会のホームページから最寄りの頭痛専門医を探し、そちらを受診するようにしましょう。

 

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片頭痛の原因

Tさんは「頭痛ダイアリー」をいうものを使って頭痛の原因を突き止めました。これに記録をつけていくことで片頭痛が起きる原因が見えてくるそうです。
頭痛があったらその強さに応じた数の縦線を書き入れ、飲んだ薬や生活への影響度、自分の体調に関連しそうな出来事を書き入れていきます。

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あさイチ「そのつらい痛み、片頭痛かも」より

Tさんは2年ほど前から記録を付け始め、見返してみると頭痛が起きた日が99日もあったそうです。そのうちの28日には「生理期間中」という共通点が見つかりました。
これはTさんに限ったことではありません。
下図は片頭痛の患者22人の頭痛ダイアリーをもとに月経と偏頭痛の発作回数の関係をグラフにしたものです。

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あさイチ「そのつらい痛み、片頭痛かも」より

月経直前と月経期間中に発作が多いことがわかります。月経は偏頭痛の大きな原因のひとつなのです。
Tさんは「これをつけてみてはじめてわかった。あぁそうなんだってわかってまたひとつ楽になった」と話していました。

さらに、99日のうち16日には天候との関係が見られました。雨の日(湿度が高い日)にも頭痛が起こりがちだったのです。また、睡眠不足の日や極度の疲れを感じているとき、肩コリがあるときやチョコレートを食べたときなどにもしばしば起きていました。
そして、これら複数の理由が重なると片頭痛が長引いたり重くなったりすることもわかったそうです。

このように、記録してみると見えてくるものがあるので、ある程度予防ができるようになります。
睡眠不足の日はソファで30分ほどの仮眠をとり、湿度の高い日はエアコンで除湿し、生理のときには「忙しさと重なると偏頭痛になりやすいことがわかったので、なるべく忙しくないように」するようにしたそうです。

「頭痛ダイアリー」は先述の日本頭痛学会のホームページから無料ダウンロードすることが出来るので、お悩みの方はぜひ記録をつけてみてください。

 ⇒日本頭痛学会『頭痛ダイアリー』

 

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片頭痛が起きる仕組み

五十嵐氏によると閉経後に片頭痛がなくなる女性はとても多いそうで、男性も歳を重ねると頭痛がなくなることが多いそうです。
起きる仕組みはまだわかっていませんが、三叉神経が関係しているという説が有力だそうです。

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あさイチ「そのつらい痛み、片頭痛かも」より

三叉神経は血管にくっついている神経です。

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あさイチ「そのつらい痛み、片頭痛かも」より

刺激が三叉神経に加わると血管が拡張し、周囲に炎症が生じます。すると三叉神経が“痛い”という信号を脳に伝えて頭痛が起きるという説です。

刺激の原因には以下のようなものがあり、人によって違います。

・ ストレスやストレスからの解放
・ 寝すぎや寝不足
・ 人混みや騒音、眩しい光、強いにおい
・ 気候、気圧の変化
・ 月経、排卵
・ 特定の飲食物(赤ワインやチーズ、チョコレートなど、人それぞれ)
・ 空腹
・ 肩や首のコリや痛み

五十嵐氏によると、リラックスした瞬間に痛くなる人は自律神経の問題と考えられるそうで、日曜日になると決まって片頭痛が起きるという人もいるそうです。

 

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片頭痛の治療薬

Tさんに市販の鎮痛薬が効かなくなってしまったのは何故でしょうか。
人間が「痛い」と感じるのは、血管が広がったり炎症が出たりしたときです。市販の鎮痛薬はその炎症を抑えるため痛みが消えたり軽減されたりするのですが、五十嵐氏によると「(Tさんの場合)片頭痛の発作そのものが重症化して、炎症を抑えるだけでは頭痛が良くならなかったと考えられる」といいます。
こうなってしまっては医師の処方薬が必要になります。

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あさイチ「そのつらい痛み、片頭痛かも」より

これはトリプタンという片頭痛の治療薬で、鎮痛薬とは仕組みが違います。有効成分が血液にのって脳へ行き、広がった血管を収縮させます。
注意点としては、限界まで耐えて痛みがひどくなってから飲むと効きが悪くなることが挙げられていました。痛みはじめてすぐにのむことが大切だそうです。また、トリプタンを飲むのは月に9日までとされているそうです。たまたま12日飲んでしまうということなら大丈夫ですが、コンスタントに10日以上飲んでいると、かえって頭痛を増やすことがあるそうです。
Tさんは「痛みが出てから2時間くらいは薬を飲んで座っているが、それで済むというのは楽になった」と話していました。

ただし、トリプタンにも限界があります。
血管を収縮させるので、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞の人は飲めません。血管の病気を持っている人はその病気が悪化することがないとはいえないからです。また、高血圧がコントロールできていない人が飲むのも危ないそうです。

気になる副作用については、五十嵐氏によると「重篤な副作用は報告されていないが、首がぐっと締め付けられるような軽い副作用が出る人はいる」とのことでした。

 

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偏頭痛の予防薬

Mさん(41歳女性)は緊張すると片頭痛が起きてしまうそうです。4年前に第二子を出産してからひどくなり、今年に入ってからは毎日のように頭痛が起こるようになってしまいました。頭痛が起こる日はひと月に17日にものぼり、「とにかく動くのも辛い。本当に血管が破裂しそうな痛みだった」そうです。

病院を受診すると、トリプタンに加えて、頭痛の頻度が減る薬(予防薬)が処方されました。これは頭痛があってもなくても毎日朝晩2錠ずつ飲む薬です。
頻繁に頭痛が起きると、脳が痛みを感じやすい状態になってしまいます。ちょっとした刺激でも痛みと感じるようになってしまうのですが、予防薬はこれを元に戻す作用があるそうです。
予防薬を飲み続けたMさんは、3ヶ月後には頭痛の日が月に2日にまで減りました。

薬の使い分けは、基本的には以下のようになるそうです。

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あさイチ「そのつらい痛み、片頭痛かも」より

予防薬を毎日飲みながら頭痛薬やトリプタンを併用します。
予防薬は効果が出るまで2ヶ月は見るそうで、脳が元の状態に戻れば予防薬は要らなくなります。その後何かのきっかけで再び頭痛の日が増えてしまったら、そこからまた予防薬を再開すればいいそうです。

こどもの片頭痛

Aさん(小学校4年生)は4歳の頃から頭痛があり、昨年片頭痛と診断されました。
お母さんには「宿題をしたくないだけでは?」と思われて信じてもらえないこともありましたが、頭が痛すぎて学校で吐いてしまったそうです。
深刻さに気づいたお母さんが専門医院へ連れて行くと、片頭痛と診断されました。

Aさんは車のにおいや、雨の日の前にも頭痛が起こりがちでした。
子どもの偏頭痛のサインには、以下のようなものがあります。

・ 頭痛が起こると動けなくなる
・ 頭が痛いと吐いてしまう
・ においに敏感
・ テレビや光を避ける

現代の子どもは夜遅くまで塾に通うなど忙しく、ストレスがたまっていることが影響していると見られており、早いと4〜5歳で痛みを訴えることもあるそうです。

子どもの片頭痛には、学校の理解も重要です。
片頭痛の子の声には「保健室に行っても熱がないと病気と思ってもらえない」「頭痛の日数が多くて学校に行けなくなる」「行事のときに頭痛が起こるかと不安」などがありました。
仮病であると思われないように、親から先生に伝えておくこととよいでしょう。
日本頭痛協会のホームページでダウンロードできる学校向けの冊子を先生に手渡すのも効果的です。

片頭痛に関する視聴者からの質問

Q、2歳の頃から息子が片頭痛。現在は17歳で血圧が140。片頭痛のときは血圧が上がる?
A、片頭痛と高血圧は関係ないと言われているそうです。17歳で高血圧ということは、それを引き起こす病気があると考えられるため、五十嵐氏は「内分泌科や循環器内科で診てもらっては」と回答していました。

Q、17歳から片頭痛の症状が出た。片頭痛になりやすい性格はある?
A、以前は几帳面な人が多いと言われていましたが、そうでない人もいるので性格は気にしなくてもいいそうです。いつ頭痛が起こるかわからないと不安になりますが、専門医の話を聞けば安心できるでしょう。

Q、10代で発症した頭痛を「片頭痛」と呼ぶの?
A、多くは10代から始まりますが、40代ではじめて片頭痛が発症することもあるそうです。その場合は他の病気もないかを検査することが多いそうです。

Q、片頭痛は遺伝する?
A、片頭痛は家系があるという人が多いといいます。遺伝子の問題が考えられているそうですが、はっきりとはしていないとのことでした。いくつかの遺伝子が重なり、そこに環境因子が加わると片頭痛が起こるのではと考えられているそうです。

Q、予防薬も効果がないのだが、頭痛を起こらなくする方法はある?
A、将来、遺伝子治療が可能になったりしたら可能かもしれませんが、今の段階では今回紹介したような治療などでコントロールするしかない、とのことでした。最近は注射で予防薬をうつ臨床試験がはじまるなど、研究は進んでいるそうです。

予防のための頭痛体操

40年の間に10万人以上を診察した頭痛専門医の坂井文彦氏が、頭痛を予防する体操を紹介していました。
(※以下に紹介する方法は、頭が痛いときにはやらないでください。痛みがないときに、予防のために毎日続ける体操です。)

足を肩幅くらいに開いて立ちます。
両肘を曲げて水平に上げ、顔はまっすぐ前を向けたまま、上半身を左右に回します。
背骨を柱としてイメージし、その周りを身体がまわる感覚です。

1日1回2分間行いましょう。
広頚筋群というインナーマッスルを鍛えられることと、リズム運動で脳に信号を送ることによっていい効果があるのではと考えられているそうです。

危険な頭痛の見分け方

以下の様な場合は片頭痛ではないかもしれないので、注意が必要です。

・バットで殴られたような激痛→くも膜下出血?
…このような痛みが突然来た場合は、すぐに救急外来で診てもらいましょう。

・頭がガンガン痛み、38度以上の高熱が続く→髄膜炎?
…インフルエンザでも痛くなりますが、熱が1週間続く場合は髄膜炎を疑いましょう。

・言葉がもつれて手足に不自由がなる→脳腫瘍や脳出血?

特に片頭痛であることがわかっている人は「今日は痛みがひどいだけでこれも片頭痛かな」と思ってしまいがちですので、要注意です。

 

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まとめ

片頭痛はちょっとした痛みが出る頭痛、といったイメージもありましたが、ひとつの病気であることがよくわかる特集でした。
今回の特集で知識を深め、自分だけでなく身近に偏頭痛で悩んでいる人がいれば様々な面でサポートできるようにしておきましょう。


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