下痢・便秘はストレスから~過敏性腸症候群~きょうの健康より

「通勤電車で必ず腹痛になるから、いつでもトイレに行けるよう各駅停車にしか乗れない……」
「試験前に必ず便秘になってしまい、どんなに勉強しても腹痛で試験に集中できない…」

こんな悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか?
これらは「過敏性腸症候群」という病気かもしれません。
過敏性腸症候群が起こる原因や診断基準などが『きょうの健康』にて紹介されていましたので、まとめておきます。

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過敏性腸症候群とは

番組での解説は東北大学大学院医学系研究科教授の福土審氏です。

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福土審氏は腸に関する書籍も出しています。

福土審氏によれば、過敏性腸症候群とは、ストレスがかかると下痢になったり便秘になったりするもので、検査しても腸に異常が見られないのにずっと繰り返される、という特徴があるそうです。
国民の10%〜20%もの人が罹っていると言われているといいます。

食べ物が小腸・大腸にて吸収されていく際、腸の動きは自律神経を介して脳にコントロールされています。
通常はゆっくりと水分が吸収されながら排泄されていくのですが、脳がストレスを感じると、脳の中でストレスに関係するホルモンが発生し、自律神経を刺激してしまいます。これが腸に伝わることで、腸の動きに異常が生じてしまうのです。
押し出す働きが正常よりもはやくなる場合、水分が吸収しきれなくなって下痢が起こってしまいます。逆に、送り出す動きがうまくいかなくなる場合は、水分を吸収しすぎてしまって便秘になってしまうのです。

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腸の側にもある要因

脳の感じるストレスが原因である一方、腸に要因がある場合もあるそうです。
あらかじめ腸が敏感になっていると、ちょっとした刺激にも腸が反応して腹痛や便秘・下痢になってしまうことがあるというのです。

腸が敏感になる場合は大きくわけて2つあります。

1つ目が「感染性腸炎」です。

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きょうの健康より

サルモネラ菌は卵、カンピロバクターは鶏肉などが感染源として知られています。
赤痢菌などの細菌以外に、ノロウイルスなどのウイルスも腸に炎症をおこすことがあります。
これらによる腸炎が治ったあとも実は軽い炎症が続いているので、その人が神経質であったり過剰なストレスを抱えていたりすると、この流れで過敏性腸症候群になることがあるのだそうです。

腸が敏感になる要因の2つ目は「腸内細菌」です。
服用中の薬によって腸内細菌のバランスが崩れて、悪玉菌が多くなると、悪玉菌の毒素によって腸が過敏になることがあるそうです。
近年、ストレスによって腸内細菌のバランスが崩れることも明らかになっています。

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腸内細菌の集まりを腸内フローラと言ったりします。腸内フローラには善玉菌、悪玉菌、日和見菌に分類される数多くの菌が存在していて微妙なバランスを保っています。これらのバランスは人それぞれ全部違い、それが個人個人の体質に影響していると見られています。
逆に言えば、体質や病気を改善するには腸内細菌のバランスを変えてやれば良いのではないかということで、世界中で腸内細菌の研究が進んでいます。腸内細菌を使った予防や治療の対象とされるのは過敏性腸症候群だけでなく、糖尿病、ガン、うつ病、アレルギー、さらには肥満に至るまで、広範多岐に及びます。

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慢性的になり、他の病気を併発する可能性も

腸は“第二の脳”と言われるほど、神経細胞が集中しています。
そのため、腸にかかる過剰な刺激が自律神経を介して脳に伝わり、脳にも過剰なストレスがかかります。これがまた自律神経を介して腸に伝わり、それがまた腸に異常をきたしてストレスが生じる……という悪循環が、過敏性腸症候群を慢性的なものにしてしまうのだそうです。

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きょうの健康より

その結果、うつ病や不安症まで併発してしまうことがあるそうで、過敏性腸症候群に罹っている人の3割にうつ症状が見られるといいます。

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かかりやすい人

番組で解説されていた「かかりやすい人」は、

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・20~30代の人
・周囲に合わせがちの人
・時間に追われている人
・環境の変化についていきにくい人
・対人関係が複雑な人
・自分の気持ちをうまく表現できない人
・きちょうめんで神経質な人

きょうの健康より

このような人たちです。
しかし、過敏性腸症候群の症状が出ていても病院を受診する人は少ないといいます。体質のせいだと思ったり、市販薬をつかって我慢したりしている人が多いのだそうです。

そこで、病院を受診する第一歩として、自らが過敏性腸症候群であるかどうかを判断する際の基準を知っておきましょう。

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過敏性腸症候群かどうかを判断する

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きょうの健康より

チェック①がYESという方はチェック②に進み、3つの項目のうち2つYESが当てはまるようであれば過敏性腸症候群の可能性が高いので、地域の消化器内科を受診するようにしましょう。

しかし、眼に見える病変がないため、軽視される可能性もあります。
その場合は、日本神経消化器病学会のホームページの役員名簿(http://neuro-g.umin.jp/yakuin.html)を参照し、近くの病院を探して受診するようにしましょう。
重度になった場合は心理療法が必要になるそうなので、心療内科も選択肢に入れておくと良いでしょう。

まとめ

現代の生活からストレスをなくすことは大変むずかしいですが、適切な処置を受ければ治療は可能であるようです。
お悩みの方は今回得た知識を活かして、生活の質の向上を目指しましょう。

 


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