多くの人が悩まされる花粉症。
最も多いのがスギ花粉によるもので、毎年2月あたりから飛散がはじまります。
下図は2017年のスギ花粉飛散予測です。
これは去年と比べてどうかという情報で、西日本で多めになると見られているそうです。
今回は、そんな花粉症に関する基礎知識や最新治療を紹介していた『きょうの健康』をまとめておきたいと思います。
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花粉症について
花粉症を引き起こす花粉は何十種類もありますが、冒頭に記した通り、一番多いのはスギ花粉です。
そんなスギ花粉症の有病率は、ここ10年で10%以上も増加しています。
この原因について千葉大学大学院教授(耳鼻咽喉科)の岡本美孝氏は「戦後に杉の木がさかんに植林されて、結果として花粉飛散量が増えたため」と説明していました。
しかし原因などはよくわかっていないようで、「5,60代でも突然発症する人もいるが原因はよくわかっていない。小さな子でも増えていて、どうやら私たちの体質が変わってきているのではないか」と考えられているそうです。
花粉症にかかると喘息が悪化することもあり、一度花粉症になってしまうと自然に改善することは少ないそうです。(ただし、中高年の方のなかには自然に改善する人もいるそうです。)
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花粉症の仕組み
花粉が身体に入り込むと、身体は花粉を異物と認識し、免疫機能が働いてIgE抗体というものがつくられます。
Ige抗体は免疫に関係するマスト細胞という細胞に結合します。するとこの細胞は花粉を排除するためにヒスタミンなどの化学伝達物質を放出します。この化学伝達物質が神経や血管を刺激するため、花粉症の症状が出るのです。(くしゃみ中枢を刺激するとくしゃみが、分泌腺が刺激されると鼻水が、血管が刺激されると鼻づまりが生じます。)
その他にも
目のかゆみ
倦怠感
喉の不快感
頭痛
などの症状がでることがあります。ひどいと睡眠が妨げられて睡眠不足になってしまう人もいるそうです。
花粉症の治療
治療は対症療法になります。
目のかゆみがある場合は点眼薬が処方されることもあります。
さまざまな症状に高い効果を示すのが鼻噴霧用ステロイド薬です。早期から使用すると有効に症状を抑えるとして、推奨されているそうです。
眠気が出る薬もあるので、薬剤師などによく相談をするようにしましょう。
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日常生活の注意点
外を歩くときはマスクをつけるようにしましょう。花粉が髪につかないように帽子を被ることも有効です。
花粉症対策専用のメガネも発売されています。
花粉がつきにくいツルツルした素材の上着を選択し、玄関先で花粉を払ってから家に入り、うがいや洗顔をして花粉を洗い流しましょう。
花粉症の最新治療
薬でも効果がない場合は鼻の中に異常がある可能性があるので、専門の医療機関で診てもらう必要があり、場合によってはレーザー治療を受ける可能性があるそうです。
ただし、レーザー治療も根本的な治療ではありません。レーザーで焼いた部分が再生してしまえば元通りになってしまいますし、思うような効果が出ないこともあるそうです。
費用は日帰り手術で1万数千円ほどです。
さらに、2014年からは「舌下免疫療法」という免疫療法も選択肢として選べるようになりました。
花粉を体内に取り込んで身体を慣らし、体質改善をはかる治療です。これを2年以上、できれば3年、4年と毎日続ける必要があります。以前は注射で投与していましたが、自宅でできて痛みもなくなったので期待されている治療法です。
以下はこの治療法の効果についてのアンケート結果です。
85.2%の人が効果を実感したそうです。
2割ほどの人には口の中のかゆみや腫れなどの副作用が現れるそうですが、いずれも軽症で、ずっと続くわけではないそうです。
費用は月に1000円ほどですが、この治療を実施するには医師にも資格が必要なのでどこでも受けられるというわけではないようです。資格を持った医師は全国で約1万人ほどだそうですから、事前に確認してから受診するようにしましょう。
※現時点ではまだ12歳未満は保険適用外です。
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まとめ
花粉症は、症状が強くなってから治療するのでは元に戻すのが難しくなってしまいます。早めの受診を心がけましょう。
舌下免疫療法に関しては効果が出るまで時間がかかるので、舌下免疫療法を受けようと思ったタイミングが既に花粉の飛散が始まっている時期になってしまっていたら、その時期が過ぎてから受けるようにするべきだそうです。注意しましょう。