食物繊維をたくさん摂る工夫~きょうの健康より

先日の『きょうの健康』では、食物繊維を上手に摂る工夫について伝えていました。食物繊維には肥満や動脈硬化、心筋梗塞、そして糖尿病などを予防するすごい力があるにも関わらず、私たちは十分な量の食物繊維を摂取できていないのが実情です。どうすれば十分な食物繊維を摂れるのか、多くの人の参考になる内容でした。
答える専門家は、栄養疫学が専門で、日本人の食事摂取基準づくりにたずさわってきた、東京大学大学院の佐々木敏教授です。

 

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食物繊維の摂取量はどのぐらい足りていないのか

佐々木教授によると、18~69歳の1日の食物繊維摂取基準は

男性 20グラム以上
女性 18グラム以上

とされており、理想は24グラム以上です。しかし現状では14グラムほどしか摂取されていないそうで、理想には10グラムも足りていないことになります。

ではどのように摂取量を増やしていけばよいのか? 野菜だけから摂取しようとせず、果物や穀物、きのこ、豆類、海草など、いろいろな食品から摂取することが鍵だといいます。珍しいものや高価な食材などで普段の食事を大きく変えても長続きしないので、長続きするやり方がポイントのようです。

 

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食事例を元に、食物繊維を増やすコツを伝授~男性の食事

<朝食>
白ご飯、ソーセージ、目玉焼き、ブロッコリー、みそ汁

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きょうの健康『食物繊維を上手に摂るコツ』より

画像を改善するには白米を麦ご飯もしくは玄米にします。白米4に大麦1の割合で混ぜることで、味も損なわずに食物繊維がアップできるとのことです。
「果物がないので、キウイフルーツなども加えてみては」という佐々木教授からのアドバイスです。

<昼食>
ラーメン
麺にも食物繊維は入っていますが、単体で終わりがちなので、ニラ、もやし、えのきだけを炒めたものをトッピングするなど、野菜やきのこなどをふんだんに摂れるよう、具を工夫します。
もしくは食物繊維の豊富な副菜を加えるとよいとのことです。

<夕食>
白ご飯、鶏のから揚げ、野菜炒め
白ご飯を玄米に変更し、納豆を加えることで食物繊維が豊富な大豆を摂取することができます。また、鶏のから揚げにレタスなどの葉物野菜を敷くことで、さらに野菜の摂取量をアップするとよいそうです。ちょっとした工夫で大丈夫ということですね。

朝・昼・夕食を無理なく改善することで、食物繊維の摂取量は改善前の10.9グラムから24.6グラムに大幅増加しました!

食事例を元に、食物繊維を増やすコツを伝授~女性の食事

<朝食>
バナナと牛乳

バナナは良いのですが、これだけでは量が少ないので、穀物を足すと良いそうです。
「小麦ふすま(ブラン)のシリアルは食物繊維を多く含むのでよいのでは?」という佐々木教授の提案でした。
またできるだけ野菜も摂りたいところです。野菜を摂る場合は、生野菜よりもホウレンソウとコーンのバター炒めなど、加熱するほうがたくさん食べられるとのことです。たしかに、野菜は加熱することで驚くほど嵩が減りますから食物繊維狙いであれば加熱した方が得策です。ただし、野菜によっては加熱することで失われる機能もありますから頭の片隅には入れておいた方が良いかもしれません。

加熱すると壊れる栄養分としては、ビタミンCが有名ですね。また、サプリメントなどでよく取り上げられる酵素各種も熱には弱いのがほとんどですからそういった栄養分の摂取を考えるなら生野菜サラダなどでの摂取が必要になってきます。
もしくはサプリメントを摂るのも一案といえるでしょう。

<昼食>
桜海老とネギのパスタ、レタスと水菜とハムのサラダ

パスタは麺類の中でも食物繊維は多く、食塩も少なくて健康面で良いそうです。さらに欲を言うならば、全粒粉のパスタは特に食物繊維が多いそうですからそういったものを選ぶと良いですね。
また、野菜ときのこ、例えば小松菜としめじを加えるとさらに食物繊維をたくさん摂取できます。

<夕食>
白ご飯、たらこ、プチトマト、もやしのナムル、鶏ささ身フライ、みそ汁

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きょうの健康『食物繊維を上手に摂るコツ』より

普通のもやしを大豆もやしに変更することで食物繊維の量が2倍にアップするそうです。また、根菜の料理、例えばごぼう、にんじん、大根などを使ったきんぴらなどを加えるとさらによくなるそうです。

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ここで紹介された、根菜を使ったきんぴらのレシピは、次のページで見ることができます。
http://www.nhk.or.jp/kenko/kenkotoday/archives/2016/06/0621.html
これ1食の食物繊維量は4グラムとのことです。試してみられてはいかがでしょうか。

朝・昼・夕食の食物繊維の摂取量は改善前の8.9グラムから23.3グラムに増えました!3倍以上ですからかなりの改善です。

 

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食物繊維が多い食事で肥満防止!

「何を食べるか」に加えて重要なのが、「食べる速さ」で、速く食べると満腹中枢が働く前に食べ過ぎてしまうため、食べる速さが速い人ほど肥満度が高いそうです。

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きょうの健康『食物繊維を上手に摂るコツ』より

佐々木教授は、
「食物繊維が多い食事をしていると、自然と噛む回数が増え、よって食べる速さがゆっくりになり、肥満の予防になる」
と指摘します。

食物繊維たっぷりの料理、「根菜カレー」

食物繊維を簡単にたっぷり摂れる料理に「根菜カレー」があります。

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きょうの健康『食物繊維を上手に摂るコツ』より

レンコン、大根、大根の葉などが材料で、ご飯は麦ご飯です。摂取できる食物繊維はなんと11.8グラムと、これを食べることで一日の目標摂取量に大きく近づけます。
食物繊維をたくさん摂るポイントは、レンコン、大根は皮ごと使い、ニンジンも皮ごとすりおろすなど、「野菜の皮をむかない」ことだそう。皮に食物繊維が多く含まれているからです。

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この「根菜カレー」のレシピも、次のページで紹介されています。
http://www.nhk.or.jp/kenko/kenkotoday/archives/2016/06/0621.html
レンコンや大根、大根葉のほかにも、食物繊維が多いきのこ(シイタケ)や豆類(大豆)が使われています。
他にも食物繊維を豊富に摂取できるレシピがないか調べてみました。
次のサイトでは、食物繊維を豊富に摂取できるレシピを、人気順や調理時間、カロリーなどで並べ替えて検索できます。
http://park.ajinomoto.co.jp/recipe/corner/healthy/dietary-fiber

ごぼう1本をまるごと使い切る「ごぼうといんげんのツナみそマヨあえ」のレシピを紹介しているページがありました。
http://www.orangepage.net/daily/146
こちらでは食物繊維たっぷりの推薦レシピ41品を見ることができます。
https://cookpad.com/category/1645
参考にされてはいかがでしょうか。

 

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まとめ

佐々木教授は
「果物や穀物、きのこ、豆類、海草などをうまく取り入れてほしい。ただし食べすぎは逆効果で、食塩の量にも気をつけてもらいたい」
としていました。
いつもの食事に1品足してみたり、食材を食物繊維の多いものに変えてみるだけで、食物繊維を目標量に近づけることができることがわかりました。肥満、そしてさまざまな病気を予防してくれるのが食物繊維ですので、毎日の食事で意識して摂取していきたいものですね!


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