先日の『健康カプセル!ゲンキの時間』のテーマは、ワインの健康効果でした。赤ワインに含まれるポリフェノールの働きなど、ワインがなぜ健康に良いのかを長寿研究の第一人者である医学博士の白澤卓二先生が解説していました。
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ワインで健康に長生き!?
フランスの人はバターやチーズなどから動物性脂肪を多く摂取しているのに、心臓病患者がとても少ないのです。このことは、フレンチパラドックスと呼ばれています。このようにフランスに心臓病患者が少ないのは、ワインの消費量と関係しているようです。
また、日本の都道府県長寿ランキングで男女ともに1位の長野県。ワイン用ぶどうの生産量も全国1位なのです。ワインが健康に寄与すると考えるのが当然ともいえる状況です。
健康カプセル!ゲンキの時間『ワインと健康』より
ワインが健康に良い3つの理由
白澤先生によると、ワインの主な健康効果は、「代謝アップと整腸作用」、「サビない身体作り」、「長寿遺伝子の活性化」だそうです。それぞれの健康効果にはワイン含まれる成分が関係しています。
有機酸で代謝アップと整腸作用
ワインに含まれる有機酸には、代謝を促して腸内環境や肌の状態を高める効果があるそうです。
また、この有機酸の働きが樽のなかのワインを腐らせなくしています。
これを証明するために、白ワイン、赤ワイン、日本酒、薄めたエタノールに大腸菌を入れて寒天培地に塗り、37度の部屋で24時間放置しました。その結果、日本酒と薄めたエタノールには、大腸菌が無数に繁殖。けれども、白ワインと赤ワインからは大腸菌がいなくなっていました。ワインに抗菌効果があることの証明ですね。
健康カプセル!ゲンキの時間『ワインと健康』より
ポリフェノールでサビない身体作り
白澤先生がワインの健康効果で最も注目するのがポリフェノールの働きだそうです。
ワインの色、渋み、苦みを作り出しているポリフェノール。植物が紫外線や敵などから身を守るために作る抗酸化物質で、身体のサビつきを抑える働きがあるとのことです。
身体のサビとは、体内で酸素の一部が活性酸素になって、細胞を酸化させることです。細胞の酸化は、がん、認知症、心筋梗塞、脳梗塞、高血圧、糖尿病など多くの病気のもとに。
ポリフェノールは酸素と結合して、活性酸素を中和します。それで、ポリフェノールを摂取すると身体サビつきにくくなると番組では説明していました。
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赤ワインとポリフェノール
ポリフェノールは、ブドウの皮と種に多く含まれるからだそうです。
健康カプセル!ゲンキの時間『ワインと健康』より
白ワインは製造過程で種や皮を取り除いてしまいますが、赤ワインにはブドウの種も皮も含まれています。それで、赤ワインと白ワインを比べると、ポリフェノールは赤ワインに多く含まれているとのことです。
赤ワインは、ココアなどその他のポリフェノールを含む飲料と比べても、その含有量はダントツに多いのです。
健康カプセル!ゲンキの時間『ワインと健康』より
ポリフェノールの重合とワインの熟成
できたてのワインと1年間熟成させた赤ワインでは味が変わります。これは、ポリフェノールが重合するからです。ポリフェノールの重合とは、ポリフェノールが鎖のように連なることだそうです。重合したポリフェノールは抗酸化力が強くなるので、健康効果が高まります。
重合しすぎても吸収が悪くなるので、5年物ぐらいの赤ワインの健康効果が一番高いと白澤先生は説明していました。
レスベラトロールで長寿遺伝子を活性化
白澤先生がポリフェノールの中で注目しているのがレスベラトロール。ポリフェノールの一種で、長寿遺伝子を活性化する働きがあるそうです。長寿遺伝子というのは、細胞の老化を遅らせて若さを保つ遺伝子。全ての人が持っている遺伝子なのですが、普段は眠っている状態です。カロリー制限や適度な運動でスイッチが入るとされていました。それが最近の研究で、レスベラトロールにも長寿遺伝子を目覚めさせる働きがあることが分かったのです。身近な食品でこのレスベラトロールが含まれているのは、赤ワインだけだと白澤先生が話していました。
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その他のワインの健康効果
有機酸とポリフェノールの他にも、ワインには健康効果のある成分が含まれています。例えば、カリウムには利尿作用があり、余分な水分や老廃物を排除してくれるそうです。また、カルシウムやマグネシウムは骨を強くしてくれます。
このように健康効果の高いワインですが「飲み過ぎ」は逆効果。1日グラス3杯の「グラサンルール」を守るようにと白澤先生が話していました。
ポリフェノールの多い赤ワインの選び方
ワイン用のぶどうには、カベルネ・ソーヴィニョン、メルロー、ピノノワールなどがあります。これらのぶとうの中で、ポリフェノールが一番多く含まれているのはカベルネ・ソーヴィニョンだそうです。
健康カプセル!ゲンキの時間『ワインと健康』より
カベルネ・ソーヴィニョンで作られた赤ワインは舌触りが滑らか。また、渋みや酸味が強くコクがあるのが特徴とのことです。赤ワインを選ぶときは、使われているぶどうにも注目してみてくださいね。
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お手頃ワインを美味しくする裏技
番組では、全日本最優秀ソムリエの佐藤洋一さんから教えてもらった、カジュアルな値段のワインをおいしくする裏技を紹介していました。
2.栓をして5回ほど思いっきり瓶を振ります。
たったこれだけのことで、イマイチだったワインの味が、フルーティーでまろやかになるそうです。番組の出演者が、1瓶1000円ほどの白ワインを試飲。そのまま飲むよりも、裏技を使った後のワインのほうがまろやかになったと出演者たちは話していました。
これはデカンタージュと同じで、ワインが空気に触れることで酸味や渋みが柔らかくなって香りが立つからだそうです。裏技は、赤白どちらのワインにも有効。ただし、オリが溜まっているようなビンテージワインには使えないとのことです。
「安いワインを買ったら何だかおいしくなかった」というときに試してみましょう。
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ワインと定番おつまみの健康効果
ワインとチーズなどの定番おつまみの組み合わせると、健康効果が高まるそうです。番組で紹介されていたワインとおつまみの健康効果をまとめておきます。
●ワインとチーズの組み合わせ
ワインとチーズはどちらも発酵食品で、発酵の過程でタンパク質がアミノ酸に分解されます。
ワインとチーズに含まれるアミノ酸の成分が違うので、一緒に摂取することで全身の代謝が良くなるとのことです。
●ワインとナッツ・オリーブの組み合わせ
ナッツやオリーブに含まれる油には抗炎症作用があります。ワインの抗酸化作用との組み合わせは、動脈硬化の予防に最適とのことです。
●ワインと生ハム
豚肉にはビタミンB群がたくさん含まれています。ビタミンB群には、アルコールの分解を促す効果があるそうです。
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ワインの過熱と健康効果
ポリフェノールなどワインに含まれる栄養成分や健康効果は熱に強いそうです。ですから、お酒を飲めない人でもワインを使った料理を食べれば、ワインを飲んだと同じ健康効果が得られるというわけです。
白澤先生は、長生きするためのレシピ本を多数執筆しています。朝はスープ、夜はワインで身体をサビさせずに、いつまでも若々しく過ごしていきたいですね。
最新決定版 100歳まで心も体もサビない! 簡単5分の朝食スープ
白澤卓二
まとめ
ワインには健康効果があると聞くことは多いですが、こんなにたくさん身体に良いことがあるとは驚きでした。お気に入りのワインとおつまみが、病気の予防に役立つなんて嬉しいですね。ただ、飲み過ぎには注意しましょう。