多くの人を悩ませる「外反母趾」。
甘く見て放置していると、足が…
チョイス@病気になったときより
こんな状態になって、歩くことも困難になってしまうかもしれません。
今回は、外反母趾の治療法や正しい靴の選び方、その他の足のトラブルまで解説していた『チョイス』を参考に、足の痛みについてまとめていきたいと思います。
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外反母趾は小学生でもなる可能性がある
番組に登場したMさん(46歳女性)は、30年以上も外反母趾と付き合ってきました。
はじめは小学校の低学年のとき、朝起きて床に足をつけた際に痛みを覚えたそうで、整形外科で診てもらうと「外反母趾」と診断されたそうです。
外反母趾は、親指の先が外の方に曲がってしまう病気です。出っ張った骨が靴に当たることで痛みが出ます。
本来は中年の女性に多い病気ですが、Mさんの場合は小学校低学年で発症してしまいました。中学校に入っても良くならず、社会人になった頃には朝から晩まで痛いという状態になってしまったといいます。寝ているときも痛みで起きてしまうほどだったそうですが、Mさんは「外反母趾はこういうものだ」と思っていたため病院に行かなかったそうです。
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外反母趾とは
国際医療福祉大学塩谷病院の須田康文氏によると、外反母趾は高齢女性の3人に1人、若い人でも約1割いると言われているそうで、「病院に来るのは症状が重くなってからという人が多い」といいます。
外反母趾は親指の先が小指側に倒れてくる症状です。
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似た病気には、小指が内側に倒れてくる内反小趾という病気もあります。
最初は出っ張った骨が靴にあたって痛み、ひどくなるとじっとしていても痛むようになってしまいます。
患者は女性が圧倒的に多く、患者の8割は両足同時に起きます。進行性の病気で、自然には治らないというやっかいな特徴もあるので、痛みが出た段階で病院にかかるのが大事、とのことでした。
原因についてはまだはっきりしたことはわかっていないそうですが、体質的なものと、靴の問題などが重なって現れると考えられているそうです。(体質については、もともと足の幅が広い人や遺伝的なものなどが考えられているそうです。)
足の指の長さや形なども一因となっています。
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親指(母趾)が長い人ほど外反母趾になりやすくなります。
ハイヒールを履くこともきっかけになると考えられますが、ハイヒールを全く履かない人や男性でもなる人がいるので、靴だけが原因というわけではないようです。
外反母趾の手術
外反母趾は、親指の付け根にある骨を切って、まっすぐに矯正する手術で治します。
付け根の骨を切り離してから、まっすぐになるようにずらします。
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それから、動かなくなるまで針金で固定します。
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Mさんはまず左足から手術をしました。
時間は10分ほどの日帰り手術ですが、簡単には治りません。
しばらくは、外出時に足を守るための専用の装具を身につける必要があります。
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この装具は、つま先に体重がかからないようにし、地面を蹴らないようにするためのものです。
はじめは松葉杖や杖をついての外出となるので、人混みに行くのも怖かったそうです。
それでも8ヶ月もすれば、指がまっすぐになります。
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左足の手術から1年後には右足も同じ手術を行いました。
Mさんは最初の手術から1年9ヶ月後には普通に生活するようになりました。手術跡もほとんどありません。今ではかかとの高い靴でも痛みなく歩けるので、「自分の足じゃないみたい。まっすぐなだけで嬉しい」と話していました。
手術について
術後には痛みがあるので、痛みに対する処置も必要になります。
Mさんのケースは日帰りでしたが、多くの場合では入院が必要になるそうです。
回復まで時間がかかる点について、須田氏は
「手術は、言ってみれば骨折をわざと起こすようなものなので、治るまでにはそれ相応の時間がかかる」
と説明していました。
手術を受けるかどうかの決め手は、日常生活にどの程度影響や支障が出ているかによります。Mさんのように夜も眠れないような状況になると手術が必要になります。
費用は以下の通りです。
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Mさんよりも体に負担の大きい入院が必要なケースだと金額は3倍ほどになりますが、高額療養費制度の適用になるそうです。
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外反母趾の予防
須田氏は「グーパー体操」を推奨していました。
まず「パー」の状態で10秒キープします。
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それから脱力して「グー」をつくり、また「パー」にして10秒、というのを20回繰り返します。これを1日2〜3回行うと、親指の内側の筋肉を鍛えることができます。
この体操は外反母趾が軽度の人から中程度の人には効果がありますが、重度で痛みが出る人は無理にやってはいけないそうですから、注意しましょう。
足の痛みが原因で体中に痛みが
Aさん(65歳女性)は右足だけ外反母趾になってしまいました。
痛みは20代の看護師だった時代から出ていたそうです。
「忙しいときに痛みが出たが一晩寝れば治っていたので、気にせず仕事をしていた」
というAさんですが、靴は慎重に選んでいました。親指の付け根が靴に当たると痛かったので、幅が広くてゆったりとした靴を選んでいたそうです。
しかし、無意識のうちに親指をかばう歩き方になっていました。
当時の靴の裏を見ると、人差し指の下あたりがすり減っていて…
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かかとの外側がすり減っています。
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この歩き方を繰り返しているうちに、Aさんは歩くたびに体中に痛みがでるようになってしまいました。腰にはいつも重たい感じや痛みがあって、左の股関節やひざにも痛みがあったそうです。
この痛みと40年以上付き合っていたといいます。
そして2015年、とても好みの靴を見つけたAさんは、その靴が少し横幅の狭いものでしたが我慢して履いていたそうです。それを3〜4回繰り返していると、足の裏が腫れ上がってしまったそうです。
痛みで家の中も歩けなくなったので整形外科を受診すると、「足底腱膜炎」と診断されました。
足の裏には足底腱膜という繊維状の腱膜があります。
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ここにストレスが集中して炎症が生じるものが足底腱膜炎です。
原因には歩き過ぎや、足を使うスポーツのやり過ぎ、加齢、急な体重増加、立ち仕事のし過ぎなど、足に負担のかかるものが挙げられます。
足底腱膜炎には「歩き出しに痛む」という特徴があるそうです。朝起きて立つときや、机から立つときだけ、痛みを感じます。
炎症が起きているところは治ろうとして硬くなるのですが、安静な状態から急に動き出すとその硬くなった部分に負担がかかって痛みが生じるそうです。しばらく動いてそれを乗り越えれば、その部位もほぐれて痛みが生じなくなります。
Aさんの場合は足底腱膜の前方に痛みがでました。
部分的に出るということは、そこに自分の体重が集中したということです。
下図はAさんの足を調べた画像です。
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右足の痛みが出た辺りだけ色が濃くなっています。ここに体重がかかっているということです。
足底腱膜炎の痛みを軽減する方法
足底腱膜を伸ばすストレッチが有効です。
かかとをおさえながら指を反らせます。
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朝起きた直後や寝る前などに「10秒反らせて、元に戻す」ストレッチを20回くらい繰り返します。1日2回も行えば痛みが楽になるそうです。
足底腱膜炎は、こうしたストレッチと装具でおおかた改善することができるようです。
消炎鎮痛剤の飲み薬や貼り薬を処方されることもあり、それでも長引く場合は衝撃波を使った治療や手術が検討されるといいます。
足底腱膜炎の改善
大きめの靴を選んでいたAさんでしたが、これが痛みの原因になっていました。
大きめの靴だと、体重がかかった時に靴の中で足がぺちゃっと広がってしまい、体重が分散されません。
ちょうどいいサイズの靴で、足の中足部(足の甲)を適度に締めると、足の指が使いやすくなるので痛みが出にくくなるそうです。
この知識を得たAさんは、足のサイズにあった“やわらかめ”の靴を選びました。そして履く際は足の甲(靴紐)を適度に締めることも意識しました。
はじめは半信半疑でしたが、足の裏の痛みも外反母趾の痛みも出なくなったそうです。
「足が痛かったときは猫背で歩いていたが、新しい靴を履いてからは背筋を伸ばして歩けるようになり、とても気持ちが良かった」
と話していました。
これにより、体中の痛みも軽くなったそうです。
Aさんの主治医で戸塚共立リハビリテーション病院の内田俊彦氏は
「Aさんが当初履いていたのは4Eというとても幅の広い靴だった。足を測るともっと細い靴も履けるなとなって、Dのサイズを履いてもらった。」
と解説していました。
どうして足の甲を締めると足が楽になるのでしょうか?
下図は足をテープで締めた様子を撮影したものです。
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足の裏に横のアーチが生まれたのがわかります。アーチが生まれると体重を分散することができるので、痛みが出にくくなります。
外反母趾の人(なかでも軽度の人)も、適度に締めると体重をかけた時に出っ張りが出にくくなります。
また靴擦れも、靴が大きすぎて動くために生じるものです。
以上のように、ピッタリした靴を普段から履いていれば、大半の足のトラブルは避けられるといいます。
靴の選び方
まずは立ったときのつま先から足の先までの長さを測ります。左右で少しサイズが違うこともあるので、しっかり把握しましょう。
さらに、座って足を浮かせたときの横幅や足回りも測ります。
体重をかけたときそうでないときでは横幅の差が大きく出ます。
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歩きやすい靴を選ぶためには、この体重がかかっていない時のサイズに合っている靴を選ぶようにするのがポイントです。
かかともポイントになります。
歩く時に脱げそうになる靴はぜったいにNGです。
かかとが安定している靴を選ぶようにして、つま先の余裕は0.5〜1センチ確保します。
そして調節ができることが大切なので、紐靴がおすすめだそうです。
紐の結び方にもコツがあります。
立って足に体重がのっているときではなく、足を浮かせて足が一番細くなっている時にひもを結ぶといいそうです。
かかとを地面につけた状態で、甲を締める感じで結ぶイメージです。
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外反母趾の人は先の方はゆるく、甲のあたりは締めて結ぶといいようです。
パンプスを履く際は画像のようなゴムをつけるだけで大変楽になるそうですから、仕事等で履く必要がある方は検討してみてはいかがでしょうか。
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外反母趾の人に優しい履物
・パンプニーカー
見た目はパンプスなのにスニーカーのような履き心地の靴があります。
これは株式会社fitfitが発売しているもので、デザインもさまざまな種類があるようなので、チェックしてみてはいかがでしょうか。
・下駄
下駄も注目を集めています。
下駄は指で鼻緒をつまむことで踏ん張ることができるので、外反母趾の人でも履きやすく、また予防にもなるそうです。
たとえば靴の企画製造・販売を手がける「のさか」(金沢市)は、女性でもオシャレに履けるように、鼻緒のデザインを60種類以上ある図柄から自分で選ぶことができる下駄を発売しているそうです。
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まとめ
内田氏によると、足の病気で病院に来る人の多くが、適正サイズよりも大きい靴を履いてくるそうです。
もしあなたが外反母趾や足底腱膜炎でお悩みなら、もしかすると合わない靴を長年履き続けているせいで病気を悪化させているかもしれません。特に足底腱膜炎は靴を見直すだけで治る可能性もありますから、ストレッチなども同時に取り入れて、改善を試みてみてはいかがでしょうか。