高血圧・・・140の90以上なら治療~きょうの健康より

中高年になると多くの人を悩ませる高血圧について、NHKきょうの健康で放送された内容をまとめておきます。解説は札幌医科大学学長 島本和明先生がされていました。

血圧とは?
血圧とは、心臓から全身に送り出された血液が血管を圧迫する力のことを言うそうです。さらに、血圧には心臓の収縮と拡張に伴った血圧があり、上の血圧(最高血圧)、下の血圧(最低血圧)などと呼ばれます。

上の血圧とは?
心臓が血液を送り出すために収縮する際の血圧のことです。最高血圧、収縮期血圧などといいます。

下の血圧とは?
心臓へ血液が返ってくる際の拡張期の血圧のことです。最低血圧、拡張期血圧などといいます。

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高血圧とは?

【診察室での血圧】
 上の血圧が140mmHg以上
 下の血圧が90mmHg以上
【家庭での血圧】
 上の血圧が135mmHg以上
 下の血圧が85mmHg以上

診察室で測った値と家庭で測った値とでは基準が違ってきます。一般に、診察室では多少なりとも緊張が入り血圧は高めに出る傾向が強いために、基準値に差が設けられているそうです。

また、診察室でのみ血圧が高いことを白衣高血圧というそうです。家庭で測定すると正常値で、診察室で測定した時のみ血圧が高いような場合を指します。この場合、診察室という患者さんにとっては特殊な空間だから血圧が上がっていると考えられ、ほとんどの場合は治療が不要なのだそうです。

一方、白衣高血圧とは逆に、家庭でのみ血圧が高く出る場合もあるそうです。こちらは診察室では正常範囲、言ってみれば高血圧が病院では仮面をかぶっている状態であるといえるため、仮面高血圧と言ったりするそうです。そして、この仮面高血圧は病院での検査で血圧値が正常と判定された人の実に10%~15%程度もいると言われているということでした。こうしたこともあって、病院以外、特に家庭でも血圧を測ることが推奨されており、高血圧学会のガイドラインでも家庭血圧の優位性を世界で初めて示しているそうです。

ちなみに、白衣高血圧は治療が不要ですが、仮面高血圧は病院での結果が正常なだけで、普段の生活では高血圧状態にありますから、多くの場合、治療が必要とされています。

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仮面高血圧のパターン
仮面高血圧には3つのパターンがあります。

・早朝高血圧
起床後に交感神経が緊張してきて血圧が上がるパターンです。

・昼間高血圧
日中の仕事などのストレスや喫煙で血圧が上がるパターンです。

・夜間高血圧
就寝中に血圧が上がるパターンです。

上記のうち、早朝と夜間の二つは、脳卒中や心筋梗塞を特に起こしやすい危険な高血圧なんだそうです。
測るタイミングですが、早朝と昼に関しては家庭用の血圧測定器で自分で測り、夜の血圧が心配な場合は24時間血圧を測定できる特殊な機械を使ったりするそうです。

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高血圧の何がダメなのか?
血圧が高いだけでは症状はほとんどないのですが、問題なのは、血圧が高い状態が続くことで血管にダメージを与え、それが原因で動脈硬化、ひいては脳卒中や心筋梗塞などの怖い病気を引き起こしていく点にあります。他にも心不全や大動脈瘤、腎臓病、さらには認知症の発症リスクを高めることもわかってきているそうです。とにかく、高ければ高いほど健康へ悪影響を及ぼすと言われています。

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一般に、高血圧によるリスクは下の図のようになっているそうです。
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最大で9倍にもリスクが増加するわけですね。

血圧の測り方

・腕にカフを巻くタイプが良い
・椅子は背もたれがあるタイプ
・カフを巻く位置は心臓の高さに合わせる
・1~2分安静にしてから測る
・測定中は会話をしない

家庭で血圧を測定するタイミング
学会では1日2回の測定を推奨しているそうです。


起床後1時間以内
 ※トイレをした後で朝食前、服薬前のタイミング


 なるべく夕食前・入浴前
  ※飲酒や入浴後だと血圧は下がっている可能性があるため

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また、家庭で血圧測定する際は、2回ずつ測って平均値を出すようにすると良いそうです。また、最低でも週に5回は測ってその平均を出すことが勧められています。やはり少しでも回数が多い方がより正確な数値が出せるということでしょう。

日本人間ドッグ学会が発表した基準範囲について

今年の4月に、日本人間ドック学会と健保連などが新たな基準を発表しました。それによると、血圧は、上が147-下が94までは基準範囲内であるということになっています。従前の基準から緩和されたためにいろいろな憶測を呼んでいますが、これはあくまでもその時点での健康を量るものであって、将来の心臓病などのリスクまでは勘案されていないそうです。つまり、人間ドック学会のいう基準範囲内であっても、上が140-下が90以上であれば、脳卒中や心筋梗塞などの重篤な病気を引き起こしてしまうリスクはやはり高いわけです。このことは人間ドック協会も認めているそうで、人間ドック協会が発表した基準範囲は、将来の健康まで勘案して判定する場合には全く使えない基準であると先生はおっしゃってました。高血圧の判定基準に関しては、以前と何も変わってないということです。

高血圧の世界基準
上が140以上、下が90以上

NHKのこうした番組であるにも関わらず、先生は明確に人間ドック学会の示した基準を『わかりづらく、現場が混乱 をきたしている』と批判口調になっていた点が印象的でした。

高血圧と診断された場合の治療

高圧目標・・・140/90未満を目指す。
ただし、糖尿病や特定の腎臓病の場合は130/80未満が目標。
また、75歳以上の後期高齢者の場合は150/90未満が目標。

後期高齢者の場合は、血圧を下げることで他の健康面での問題点が出てくる場合があるため、無理に下げようとはせず、まず150/90未満を目指すことから始めるそうです。


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