何でも食べれる8:16時間ダイエット&脂OKのローカーボダイエット~主治医が見つかる診療所より

先日の『主治医が見つかる診療所』は、「無理なく、安全に、長続き 最新最強ダイエットスペシャル」と題した特集でした。肥満の双子が別々のダイエット法を10日間実践する様子とその結果を伝えていました。健康的にやせやすい体を作る方法についてのヒントが満載で、多くの人にとって知っておきたい内容ではないでしょうか。

 

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BMI(肥満指数)と寿命・健康の関係

まず秋津医院院長で内科の秋津壽男医師が、BMI(肥満指数)と寿命の関係について解説しました。BMIとは

体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

の数値のことで、男女ともに18.5から25未満が標準値とされているものです。秋津院長は

「標準値の上のほうにいる人が長生きする」

と語ります。つまりやせ型よりはぽっちゃり型の人のほうが長寿の傾向があるということですが、肥満が長生きするというわけではないと断言します。

今回、ダイエットに挑戦するザ・たっちの二人が、そしがや大蔵クリニック 院長で内科・リウマチ科の中山久德医師のもとで身体測定を行いました。身長から見た二人の適正体重は50kgですが、兄のたくやさんは体重73.1kgで体脂肪率は32.8%、弟のかずやさんは73.3kgで体脂肪率は32.9%と、共に肥満のラインである体脂肪率25%を大幅にオーバーしていました。

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主治医が見つかる診療所より

この数値について岡部クリニック 院長で内分泌内科の岡部正医師は、

「30代男性でこの体脂肪率の高さだと、確実に内臓脂肪が付いている。内臓脂肪が増えると長寿ホルモンある『アディポネクチン』が減り、糖尿病や心筋梗塞、大腸がんになりやすくなる」

と懸念し、このままだと長生きできないと結論付けます。
中山院長も、

「二人のBMIを見ると、体の重みを支えるひざ、股関節、足関節に相当な負担がかかっていると言える。これでは30代から関節障害になってしまい、改善されないと最悪の場合は寝たきりになる」

と警鐘を鳴らしました。

 

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「8:16時間ダイエット」とは

ダイエット法のひとつとして、「8:16(はちたいじゅうろく)時間ダイエット」が紹介されました。

決まった時間内であれば何でも食べる事ができると同時に、胃腸の働きを自然と元気にしてくれるものだそうです。このダイエットについてかたやま脳外科内科クリニック 院長で脳神経外科・内科の片山成二医師は、

「1日24時間を8時間と16時間に分けて、食べることは8時間の間にすべて終わらせるが、その8時間の間は何を飲食してもよい。大体1日2食のパターンが多い」

と解説します。

<8:16時間ダイエットのポイント>
― 昼12時に食べたら夜8時まで、朝8時に食べたら午後4時までは食べてもよいということです。
― おなかいっぱい食べていいし、お酒も飲んでいいそうです。
― ただ、注意事項としては、8時間の間は何を飲食してもよいからと言っても、これはあくまでダイエット法なので、極端に食事の回数を増やしたり、8時間食べ続けたりしてはいけないとのことです。
― 16時間の間も水は飲んでよく、片山院長は朝に水をたくさん飲むことを推奨しています。

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8:16時間ダイエットについては、「8時間ダイエット」と呼ばれることもあります。こちらの記事(http://kenkouiji.info/?p=3163)でも他番組で以前紹介された8時間ダイエットのやり方、そして8時間ダイエットに挑戦した芸能人と一般人の記録が紹介されているので、是非お読みください。こちらでは「運動すらしなくてよい」、「ただし水は1日2リットル摂り、食事をしない時間帯に糖分のない飲み物をこまめにとることがポイント」と説明があります。参考にされてはいかがでしょうか。

 

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8:16時間ダイエットでやせられるメカニズム

この方法でなぜやせられるかというと、胃腸を16時間休ませることができるので、消化器の働きが活発になり、

代謝がアップ→脂肪が燃焼する→やせる

というメカニズムが働くからです。「何でも食べられて、胃腸にもやさしい」のが特長です。

無理なくやせることで、動脈硬化や脳卒中に苦しむ人を減らすことができるはずだとの思いから、片山院長はクリニックでも患者さんに「8:16時間ダイエット」を勧めています。

秋津院長はこのダイエットについて、

「言い換えると、毎日、16時間のプチ断食をするということ。時間内は何を食べてもいいので、食べ物に執着の強い人ほど我慢でき、長く続けられるダイエット法だ」

と解説します。

また「16時間でないとだめなのか?」という問いに対しては、いつもより朝食を食べる時間を遅らせたり、夕食を食べ終わる時間を早めることで、食べない時間を少し延ばすだけでも効果があり、最終的に8:16にできれば最も効果的だとのことでした!

日本薬科大学 学長で漢方が専門の丁宗鐵医師は、

「漢方的な考えでは、腸が健康の基。自由に食事をすると腸が休まる間がなく、腸の筋肉が疲弊するので、それは避けたい。16時間の間、腸をきちんと休めると回復力や持続力が出てくる」

と絶賛しました。

 

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8:16時間ダイエットの体験談

クリニックの患者であるNさんは、とても91歳には見えない若さと体型をしている女性。お腹が出てきたこととひざが痛くなったことをきっかけに、このダイエットを始めました。半年間で2kgの減量に成功し、ひざの痛みもなくなったと言います。苦が一切ないダイエットなので、いつから始めたかも思い出せないほどだと笑っていました。

<Nさんの食事例>
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主治医が見つかる診療所より

実は片山院長自身、4年前は現在に比べ10kgも体重が多く、「糖質制限ダイエット」を行ったそうです。これは糖質をできるだけ排除し、肉や野菜を中心に摂るダイエットですが、半年で6~7kgやせたもののすぐにリバウンドしてしまったと言います。

そこで「8:16時間ダイエット」を実践したところ、10kgも体重が落ち、片山院長は体験を振り返って

「LやLLサイズの服を着ていたのがMサイズが着られるようになり、幸せを感じる。糖尿病や高血圧、その先のがん、アルツハイマー病(認知症)、パーキンソン病の予防が期待できる」

と語ります。

 

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8:16時間ダイエットに挑戦!

ザ・たっちのかずや氏が8:16時間ダイエットに挑戦しました。朝は抜き、昼から8時間食べる作戦です。食事の開始時間は毎日同じでないといけないわけではなく、日によって1~2時間のずれはあってもいいそうです。

中盤の5日目には「とにかくお通じがいい。1日2回行く。」と、ポジティブな体調の変化を感じたようです。

7日目には、食事ができない時間帯のストレスでイライラを感じるように。それに対して片山院長は、

「朝に『バターコーヒー』を飲むと食欲が抑えられる」

とアドバイスします。バターコーヒーとは、コーヒーに無塩バターを小さじ2杯ほど入れたもので、その脂肪分が空腹感を抑えてくれ、1日2~3杯なら飲んでもいいそうです。初めて聞く飲み物ですね!

<8:16時間ダイエットの結果>
そして10日間のダイエット終了後、
「時間にしばりはあるものの、毎回の食事に気を使わなくていいので楽だった」
と振り返ります。
体重と体脂肪率を測ると、体重は2.2kg、体脂肪率は1.3%下がっていました。
中性脂肪とコレステロールを測ってみると、あらゆる数値がよくなり、特に中性脂肪に関しては驚くべき改善です。

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主治医が見つかる診療所より

LDL悪玉コレステロールが減りつつHDL善玉コレステロールは増えることにより、血管の病気にかかわるLH比が正常値に近づき、ダイエットは大成功という結果でした!

岡部院長は

「一番いいのは、頭が空腹感を覚えたことではないか。今まではしょっちゅう食べ、お腹がすいていなくても食べていた。空腹になったら食べるという正しい食事ができるようになったのがよかった」

と言います。

札幌禎心会病院 脳疾患研究所 所長で脳神経外科の上山博康医師も、

「途中で便通がよくなったと言っていたが、胃腸にとって食事の間隔を空けるのはよいこと。臓器は働いたあと休めることが必要で、8:16ダイエットはそれができるのがよい。食べたらすぐすい臓からインスリンが出るが、食事の間隔が空くことでインスリンも休める。」

とコメントしました。
ひめのともみクリニック 院長で心療内科の姫野友美医師は、

「バターコーヒーがポイントになっていると感じた。朝、低血糖でイライラしているときに、炭水化物ではなくバターという脂肪を入れてエネルギーにしたのがよかった」

と見解を示しました。

「ローカーボダイエット」とは

もうひとつ、注目を集めているダイエット法として「ローカーボダイエット」が紹介されました。脂肪分は積極的に摂り、ゆるやかな糖質制限を行う方法で、医師たちが集まって考え出したものだそうです。ローカーボとは、カーボハイドレート(炭水化物を)ロー(低い)状態にするという意味です。

名古屋逓信病院 内科医長で内科・消化器科の中村了医師は、自分でも実践して大成功を収めたと言います。87kgあった体重が最初の1週間で6~7kgも減り、半年で15kgの減量となりました。結果、体重は72kgまで落ちたというので驚きです!

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主治医が見つかる診療所より

自らの体験で効果が出たため、糖尿病や高血圧の予防にと、患者に勧めているそうです。全国各地の病院にも広まっているといいます。

<ローカーボ食のポイント>
― ご飯(米)やパン、麺を完全に抜けば効果はあるが、続けるのは難しく挫折しやすいです。そこで緩やかに炭水化物を制限する=炭水化物を悪にするのではなく、量を適切に調整し、安全で長続きさせることを目指すのがポイントです。
― 肉は糖質を含まないので、どの種類もOKで、他にも魚介類や海藻類、魚卵、大豆製品、キノコ類、卵も自由に食べられます。

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主治医が見つかる診療所より

― なんと「から揚げ」や「油炒め」はどんどん食べてよい。炭水化物を減らしてもカロリーは確保しなければならないので、「脂は悪」という固定観念は取り払い、脂質は積極的に摂る!ダイエットとしては画期的ですね!

 

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やせるために脂肪の摂取!?

ダイエットにはカロリーの高い「油」は禁物とされてきました。しかし、脂肪分は細胞やホルモンの材料であり、エネルギー減になる重要な栄養素なのです。糖質を抜くとエネルギーが不足し、ストレスにもなるようです。
そこで中村医師は

「糖質を減らす分、動物性、植物性、魚の脂をバランスよく、かつ積極的に摂るのがよい」

と提唱します。

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主治医が見つかる診療所より

ただし揚げ物を食べる際の注意点として、衣はパン粉や小麦粉などの炭水化物でできているのでフライやカツは避け、素揚げ、もしくはできるだけ衣の薄い唐揚げがよいとのことです。

ローカーボダイエットに挑戦!その結果は?

ザ・たっちのたくや氏がローカーボダイエットに挑戦しました。ルールは「2食は炭水化物(糖質)を制限し、1食は自由に食べていい」というものです。調味料に砂糖などが使われていることも多いので、そのようなものを食べないようにも気をつけながら実践します。

<糖質が多い調味料>
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主治医が見つかる診療所より

<糖質が少ない調味料>
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主治医が見つかる診療所より

また、主食を食べないので、おかずを多めに食べ、脂肪は唐揚げなどで積極的に摂取します。
お酒にも、糖質の多いビールや日本酒、ワイン、そして糖質の少ない焼酎、ウイスキー、ウオッカなどがあるので、気をつけながら飲みます。

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主治医が見つかる診療所より

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中村医師が参加している「NPO法人日本ローカーボ食研究会」では、ローカーボ食の教科書とも言える本、「正しく知る糖質制限食 ~科学でひも解くゆるやかな糖質制限~」を発行しています。注目を浴びている「糖質制限食」ですが、やり方によっては、将来におけるガンや血液疾患のリスクが増大する可能性があるとのこと。ローカーボを正しく理解したい方は、一読されてみてはいかがでしょうか?

中盤の5日目には「目覚めがよくなった」と、体調に改善の兆しが現れているようでした。

10日間を終わっての感想は、

「唐揚げも大丈夫だし、1食は炭水化物が食べられるので、全くストレスなくできた」

とのこと。

体重と体脂肪率を測ると、体重は3.0kg、体脂肪率は2.0%も下がっていました!
血液検査の結果は、LDL悪玉コレステロールは増えHDL善玉コレステロールが減ることで、LH比も悪化していました。ただし中性脂肪に関しては大きく改善していました。

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主治医が見つかる診療所より

岡部院長は

「10日で3kgの減量は大変成功であるが、LH比が上がってしまった。脂は何をとってもいいということだったが、脂には動物性、植物性、魚の3種類あり、バランスよくたくさん摂ればよかったが、動物性が多かったのではないか」

と考察していました。やはりなんでもかんでもというわけではなく、一工夫あったほうがより良い結果がでるということですね。

より効果的にローカーボダイエットを行うには

今回の「2食は炭水化物(糖質)を制限し、1食は自由に食べていい」というルールについて、姫野院長は、

「今回は1日1食は自由に食べてよいというルールだが、本来は、最初は糖質を1日2食は摂っていいので1食は糖質を抜くようにしておき、3週間ぐらいかけて徐々に糖質を減らしていくのが望ましい。そうすると体が慣れるので、糖質をエネルギーに変えずに脂肪をエネルギーに変える体の回路に変わっていき、ダイエットが成功する」

とアドバイスしていました。いきなり糖質を制限してくのではなく、徐々に制限していくことで身体の代謝もスムーズに切り替わるということなのでしょう。また、気分的にもそちらのほうが楽ともいえそうです。

また、補足的に

「普通の食事で主食(炭水化物)だけ抜くと、完全に栄養失調になるので、糖質制限をした代わりに何で補うかをしっかりと押さえておくべき。そのひとつが脂である」

ともおっしゃっていました。素人考えでやってしまいがちなミスだといえそうです。気をつけたいところですね。

まとめ

紹介された2つのダイエット。結局どちらがいいのかと悩むところですが、丁学長がそれに対する答えを与えてくれました。

「ダイエットには向き不向きがあり、自分に何があうかわかりにくい。8:16時間ダイエットは『体力の予備能力のない人』、つまり高齢で肥満のような人に向いている。体力がある人は糖質制限のほうが長続きする」

とのことです。
ローカーボダイエットでは脂肪の種類をバランスよく取れていなかったため、一部数値が悪化していたものの、それでもわずか10日で数字ではっきり出るほど効果があった2つのダイエット。肥満で血液検査が心配な人は、是非これを機会に、自分に合ったダイエットに取り組んでみたいものですね!


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